「いいね!」はカネで買える。“インフルエンサー”本人が業界事情を話します<2>

インプレッション率まで見ていない企業にも原因がある!?

 例えば、あなたが誰かをフォローするときは、こういうことはありませんか? ・「いいね!」の数が多い投稿をSNSで見つける ・過去の投稿を遡り、「この人は面白い投稿があるし、『いいね!』の数も多い」と確認する ・気になってフォローする  そんなことをいうと「フォロワー数だって一緒じゃないか」と思う方もいるでしょう。  ただ、当然ながら偽フォロワーがたくさんいるよりも、“生きたフォロワー”がたくさんいるインフルエンサーのほうが遥かに広告の稼働率(インプレッション率)は高いです。  しかも、“生きたフォロワー”は投稿を拡散してくれるため、さらなるフォロワーを呼ぶことができます。  特にTwitterはそうです。偽のフォロワーが多いインフルエンサーは、結局生きてないTwitterアカウントなのでフォロワーの数字が大きくてもインフルエンサー個人の力のみが頼りになっていきます。  ご存知かと思いますが、Twitterには「リツイート(RTとも言います)」という拡散機能があります。インフルエンサーのフォロワーが記事を拡散したことでそのフォロワーのフォロワーがさらに拡散し、インフルエンサーが自力で叩き出す数字よりも、はるかに拡散力が大きくなることがあります。  インフルエンサー個人の力だけではなく、フォロワーを巻き込んで拡散していくほうが効果的だと思いませんか?  まぁ、そのRTも実は買えるのですが……(笑)。 「自己顕示欲の塊」「見栄張り」という見られ方もあるかもしれませんが、インフルエンサーが仕事のために、しかたなく買っている場合もあります。  それはPRをお願いする側の企業が表の向きでしか数字を見れないため、偽のフォロワーが多いインフルエンサーに仕事をお願いしている現状もあるからです。企業が、広告の稼働率(インプレッション率)まで目に届いていないのが一つの原因だと思います。  フォロワーが1000人でも広告の稼働率(インプレッション率)がいいのに、企業はその人に仕事を振らないわけですから。インフルエンサーも自分の生計に関わってくるため、一概に「見栄張り」とは言えないのではと思うときがあります。ケースバイケースということになりますね。  次回は、「本当に強い影響力を持つインフルエンサーの言動」について紹介したいと思います。 <文・桂華> 【桂華】 キャスティング事業などを行う「りゅばんないと」代表。フリーモデルとして、写真集「密会」などへの出演も行う。スペインとフィリピンハーフの母と、日本の父を持つ。ツイッターは@keika_pt17、インスタグラムは@keika_o0
1
2
バナー 日本を壊した安倍政権
新着記事

ハーバービジネスオンライン編集部からのお知らせ

政治・経済

コロナ禍でむしろ沁みる「全員悪人」の祭典。映画『ジェントルメン』の魅力

カルチャー・スポーツ

頻発する「検索汚染」とキーワードによる検索の限界

社会

ロンドン再封鎖16週目。最終回・英国社会は「新たな段階」に。<入江敦彦の『足止め喰らい日記』嫌々乍らReturns>

国際

仮想通貨は“仮想”な存在なのか? 拡大する現実世界への影響

政治・経済

漫画『進撃の巨人』で政治のエッセンスを。 良質なエンターテイメントは「政治離れ」の処方箋

カルチャー・スポーツ

上司の「応援」なんて部下には響かない!? 今すぐ職場に導入するべきモチベーションアップの方法

社会

64bitへのWindowsの流れ。そして、32bit版Windowsの終焉

社会

再び訪れる「就職氷河期」。縁故優遇政権を終わらせるのは今

政治・経済

微表情研究の世界的権威に聞いた、AI表情分析技術の展望

社会

PDFの生みの親、チャールズ・ゲシキ氏死去。その技術と歴史を振り返る

社会

新年度で登場した「どうしてもソリが合わない同僚」と付き合う方法

社会

マンガでわかる「ウイルスの変異」ってなに?

社会

アンソニー・ホプキンスのオスカー受賞は「番狂わせ」なんかじゃない! 映画『ファーザー』のここが凄い

カルチャー・スポーツ

ネットで話題の「陰謀論チャート」を徹底解説&日本語訳してみた

社会

ロンドン再封鎖15週目。肥満やペットに現れ出したニューノーマル社会の歪み<入江敦彦の『足止め喰らい日記』嫌々乍らReturns>

社会

「ケーキの出前」に「高級ブランドのサブスク」も――コロナ禍のなか「進化」する百貨店

政治・経済

「高度外国人材」という言葉に潜む欺瞞と、日本が搾取し依存する圧倒的多数の外国人労働者の実像とは?

社会