今年2月25日に開催された大会では、メインイベントにノリのタイトルマッチが組まれた。対戦相手の伊東優作は愛知県刈谷市の団体「DEP」所属選手だが、ふだんは今池に焼き鳥屋の店長として根を下ろしている。
大物ゲスト選手に頼らず、地元選手の闘いで観客を満足させる、地産地消のプロレスだ。
プロレスは何も知らずに観戦しても面白いが、背景を知るともっと楽しめる。そのためメジャー団体では「煽りV(映像)」を用いて、選手の関係性や試合の意味などを観客に伝えている。
妻の力作を夫のリングアナが読み上げる
今池プロレスは映像ではなく「煽り“紙芝居”」を作っている。画用紙に手描きされたイラストをスクリーンに映し、リングアナウンサーのKOI(こい)氏が闘いまでのいきさつを語る。
しかもこの紙芝居はKOI氏の夫人が描いたもの。ちなみにノリvs伊東が決まったのは大会前日だったため、夫人は夜なべをして制作したとのことだ。
今池プロレスは現在年1~2度の有料興行と、9月の「今池まつり」でのイベントプロレスを開催している。今池まつりでは交差点のド真ん中にリングを組み、スタンディングながら無料観戦できる。機会があれば「プロレスも売っている商店街」へ足を運んでほしい。
今池まつりの様子
【たこ焼きマシン】
名古屋在住のローカルプロレス探求家。ローカルプロレスファンサイト
たこ焼きマシン.com、
スーパーたこ焼きマシン.comを運営。北海道から沖縄、台湾まで未知のプロレスを求め観戦に遠征する。ご当地プロレスラーガイドブック『ローカルプロレスラー図鑑』をクラウドファンディングで発行。
オンラインストア。元・小中学校教員、障害者職業能力開発校講師。夢は世界中すべてのご当地プロレスを観戦しての『ワールドローカルプロレスラー図鑑』制作。