音楽離れはウソ!? 世界音楽売り上げが3年連続で増加

日本は世界2位の市場規模

「Global Music Report 2018」には他にも興味深いデータが掲載されている。各種ランキングはざっくりと最新トレンドを追うのに便利だ。 《グローバル・レコーディング・アーティスト》 1 エド・シーラン 2 ドレイク 3 テイラー・スウィフト 4 ケンドリック・ラマー 5 エミネム 6 ブルーノ・マーズ 7 ザ・ウィークエンド 8 イマジン・ドラゴンズ 9 リンキン・パーク 10 ザ・チェインスモーカーズ  内訳を見てみると、ロックバンドが2組、ラッパーが4組と近年のヒップホップ隆盛がそのまま表れているようにも思えるが、ティーンに人気のEDM(エレクトロニック・ダンス・ミュージック)は10位のザ・チェインスモーカーズのみ。フェス会場やクラブなどで“体験する”ことが重視されるジャンルだけに、アルバムを買ってじっくり聴くという面では弱いのかもしれない。ちなみにデジタル・シングルのランキングでは3位と5位にランクインしていた。  続いては「世界の音楽市場トップ10」だ。 《世界の音楽市場トップ10》 1 アメリカ 2 日本 3 ドイツ 4 イギリス 5 フランス 6 韓国 7 カナダ 8 オーストラリア 9 ブラジル 10 中国  世界一フィジカルの売れる国、日本は第2位にランクインしている。そのほか、韓国、中国もランクイン。音楽好きなイメージが強い南米からは唯一ブラジルがランクインした。前述の通り、南米の市場規模は17.7%も伸びており、まだまだ開拓の余地があると言えるだろう。デジタルでの視聴環境や販路の整備は、こういった地域への投資なのかもしれない。また、世界一の人口を誇り、急速に市場が拡大している中国も、同レポートで注目の地域として取り上げられていた。  何かと暗いニュースばかりが報道されがちな音楽産業。データから市場を分析してみると、いつもとは違った声が聞こえてくるかもしれない。 <取材・文・翻訳/林泰人>
ライター・編集者。日本人の父、ポーランド人の母を持つ。日本語、英語、ポーランド語のトライリンガルで西武ライオンズファン
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