あの展望台から富士山が消えた!――変化を遂げる浜松町、「陸・海・空の交通結節点」に
冬の良く晴れた日、羽田空港を利用したついでに浜松町の世界貿易センタービルディングの展望台「シーサイド・トップ」へと足を運んで驚いた。富士山が全く見えなくなっているのである。
代わりに見えるのは、ビルに隣接して伸びる建設中の巨大な建物。
実は浜松町エリアは各地で大型再開発が行われており、「陸・海・空」の交通結節点として大きくその姿を変えようとしている。
山手線沿線の大型再開発といえば、東京駅八重洲口や渋谷、品川エリアが注目を集めているが、浜松町エリアも複数の大規模再開発がおこなわれる街の1つだ。
再開発の話に移る前に、まずは浜松町駅周辺の歴史について簡単に説明しよう。
浜松町駅が開業したのは1909年のことだが、その運命を大きく変えることとなったのは東京オリンピックが開催された1964年のことだ。
この年、東京モノレールと都営地下鉄浅草線(大門駅)が開通。浜松町駅が東京の空の玄関として全国に広く認知されるようになるとともに、23区南部の交通結節点として発展を見せ始める。「浜松町」といえば東京モノレールを真っ先に思い浮かべる人は今も多いであろう。
1970年には駅前に当時日本最高層であった「世界貿易センタービルディング」(高さ152m)が完成。最高階の展望台は「富士山と東京タワーが一緒に見える」として話題を呼び、結婚式場としても人気となった。
また、1984年には海側に「東芝ビルディング」(高さ165m、現「浜松町ビルディング」)も誕生した。東京臨海部の開発が途上であった当時、特徴的なかたちの超高層ビルは非常に目立つものであったという。
転機となったのは1998年。京浜急行が羽田空港に本格的に乗り入れると、浜松町の「空の玄関口」としての優位性は半減することとなった。
一方、21世紀に入って竹芝・汐留地区の再開発が進むと、これら湾岸エリアの南の玄関口としての役割も果たすようになっている。
大型再開発が行われているのは、大きく分けて「世界貿易センタービルディング」の周辺と、「浜松町ビルディング」(旧・東芝ビルディング)の周辺、そしてゆりかもめ竹芝駅の周辺だ。
浜松町は都内有数の「大型再開発エリア」だった
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