韓国の女子高で“#MeToo”! セクハラ教師軍団に鉄槌が下される

少女たちはいつか大人の強い女性となり、不埒者に裁きを下す

 話を今回の騒動に戻そう。  同校の在学生たちも「ホ・ソンヘ事件」を知っていた。知っているからこそ、告発したら「退学処分」が待っていると思い、泣く泣く沈黙を守っていた。  しかし彼女たちは、今回初めてSNSを通じて学校にあるまじき行為を、勇気を持って暴露した。 「同校OGの勇気ある行動を聞いて、教師たちのセクハラ・性的暴行をこれ以上黙認しないことにした」、「これまで学校側は教師たちのセクハラに対して学生や保護者が抗議しても、隠蔽して知らないふりをしてきた」、「学校側は何とか事態をもみ消そうとするし、被害生徒は今後の大学進学に響くのではと怯え、結局は泣き寝入りするしかなかった」  これに対して同校のチョ・ソンヨン教頭は「セクハラなどで調査を受けた教師たちは、担任を受け持っていた学生たちの家庭を訪問し謝罪した。校内放送でも全校生徒に市教育庁の調査過程を詳しく伝え謝罪した」、「すぐに父兄総会を開き、保護者にも謝罪する予定だ」と話した。  しかし、事案の隠蔽に関しては否定。  教頭は「校内でのセクハラが発覚した場合、マニュアルによってすぐに警察に知らせて調査を受けなければならない。しかし、今回のことについては、まだ届け出がなかった」と話した。  ソウル市教育庁によると、同校5人の男性教師が警察の捜査対象になっている。  今回の騒動を報道している韓国メディア「京郷新聞」のFacebookのコメント欄には、「こんな低俗な性犯罪者が教師として存在しているから、教育に対する信頼がどんどん落ちていく。一日も早く性犯罪者を処分しなければならない」、「卒業生による暴露もあったとか……万が一事実なら、彼女たちは後輩のために本当によくやってくれた」、「いまや、教師とはいえ信用できないんだな」等、勇気ある「告発」を讃える声と、教育現場に対する疑問が投げかけられている。  十数年前に、一人の少女を貶めた教育現場の歪みは、時を経た現代の「#Me Too」で是正されるか。  学校に貼られたポストイットの文言が響く。 「少女たちは、いつまでも幼いままの少女ではない。いつか強い女性となって、あなたの未来に裁きをくだす」 <文・安達 夕 @yuu_adachi
Twitter:@yuu_adachi
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