孤独な若者を繋ぐ出会い系ロボット「Fribo」が誕生……斬新なその機能とは

Image: Yonsei University & KAIST viaYouTube

 韓国・延世大学およびKAISTの共同研究チームが、一人暮らしの若者の社会的なつながりを支援するソーシャルネットワーキングロボット「フリボ(Fribo)」を開発した。  HCI、BMIなどの分野を研究する9人の研究者たちは、先月、ACM / IEEE主催の第13回年次会議(HRI 2018)で、同ロボットに関する論文「Fribo: A Social Networking Robot for Increasing Social Connectedness Through Sharing Daily Home Activities from Living Noise Data」を発表し、優秀論文賞を受賞している。  フリボは、独身の若者を支援するためのソーシャルネットワーキングロボットだ。一見、黒猫デザインのシンプルな卓上型ロボットに見えるが、従来のソーシャルロボットとは異なるコンセプトを持っている。それはロボットユーザー(=フリボユーザー)同士の、ネットワーキングや、相互作用を支援するというものだ。  フリボは、玄関やドアの開閉音、冷蔵庫の開閉音、洗濯機、掃除機が動く音など、生活の中で発生する“騒音”にフォーカスをあてる。超音波センサー、温度、湿度、光センサーなどが備わっており、人が「家にいるかどうか」「外出したのかどうか」を把握する。騒音を認識すると、他のフリボ端末に通知したり、友人グループを形成しているネットワーク全体に知らせるという仕組みだ。

Image: Yonsei University & KAIST

 フリボは、カカオトークなどメッセンジャーアプリ、SNSとも連動する。例えば、ユーザーのひとりが帰宅してドアを開けて家に入ると、プリボがそれを認識して、ユーザーが互いにカカオトークで状況を確認できるといった具合だ。また、洗濯機や電子レンジを使うとプリボが状況を認識して通知。友人間で「どのような料理をつくっているのか」など、会話=コミュニケーションを生むことを誘導する。
次のページ
プライバシーを確保しつつ出会いを促す
1
2
バナー 日本を壊した安倍政権
新着記事

ハーバービジネスオンライン編集部からのお知らせ

政治・経済

コロナ禍でむしろ沁みる「全員悪人」の祭典。映画『ジェントルメン』の魅力

カルチャー・スポーツ

頻発する「検索汚染」とキーワードによる検索の限界

社会

ロンドン再封鎖16週目。最終回・英国社会は「新たな段階」に。<入江敦彦の『足止め喰らい日記』嫌々乍らReturns>

国際

仮想通貨は“仮想”な存在なのか? 拡大する現実世界への影響

政治・経済

漫画『進撃の巨人』で政治のエッセンスを。 良質なエンターテイメントは「政治離れ」の処方箋

カルチャー・スポーツ

上司の「応援」なんて部下には響かない!? 今すぐ職場に導入するべきモチベーションアップの方法

社会

64bitへのWindowsの流れ。そして、32bit版Windowsの終焉

社会

再び訪れる「就職氷河期」。縁故優遇政権を終わらせるのは今

政治・経済

微表情研究の世界的権威に聞いた、AI表情分析技術の展望

社会

PDFの生みの親、チャールズ・ゲシキ氏死去。その技術と歴史を振り返る

社会

新年度で登場した「どうしてもソリが合わない同僚」と付き合う方法

社会

マンガでわかる「ウイルスの変異」ってなに?

社会

アンソニー・ホプキンスのオスカー受賞は「番狂わせ」なんかじゃない! 映画『ファーザー』のここが凄い

カルチャー・スポーツ

ネットで話題の「陰謀論チャート」を徹底解説&日本語訳してみた

社会

ロンドン再封鎖15週目。肥満やペットに現れ出したニューノーマル社会の歪み<入江敦彦の『足止め喰らい日記』嫌々乍らReturns>

社会

「ケーキの出前」に「高級ブランドのサブスク」も――コロナ禍のなか「進化」する百貨店

政治・経済

「高度外国人材」という言葉に潜む欺瞞と、日本が搾取し依存する圧倒的多数の外国人労働者の実像とは?

社会