日本のロケットベンチャー「インターステラテクノロジズ」のロケット、4月28日に打ち上げ再挑戦

1号機の打ち上げと、2号機でのリベンジ

 ISTでは2015年の夏からMOMOの開発に着手し、少ない資金と人員の中、開発を続けてきた。衛星打ち上げロケットよりシンプルとはいえ、エンジンをはじめとする技術の開発には困難が続出し、開発延期を余儀なくされたという。それでも2年で打ち上げまでこぎつけた。  そして2017年7月30日、MOMO 1号機が打ち上げられた。しかし打ち上げから66秒後、ロケットから送られてくるデータが途絶えた。それを受け、同社は安全を確保するため、エンジンを停止させる指令を送った。エンジンが止まったロケットは、目標の高度100kmには到達できず、最終的に高度約20kmほどに到達した後、海上に落下したと考えられている。  その後の分析で、機体に空気の力が最もかかる、「マックスQ」と呼ばれる領域で機体が破損し、電源が失われ、その結果データが途絶えたと考えられている。

MOMOの1号機。この66秒後、ロケットからのデータが途絶え、打ち上げ中止の決定が下された Image Credit: インターステラテクノロジズ

 これを受けてISTは、再挑戦に向けて2号機を開発。マックスQに耐えられるよう、機体の構造が強化されたほか、1号機では機体が予想外の回転をしたため、より強い力で姿勢を制御できる、小さなロケット・エンジンのような装置も搭載されることになった。  いっぽうでエンジンの性能など、一部の実験項目については1号機で実証できたとされ、そうした点については2号機でもそのまま踏襲されている。また新たに、同社と高知工科大学が共同開発した実験装置も搭載されることになっている。  ISTはロケットの多くに民生品を活用したり、自社で内製したりしており、また宇宙事業に理解の深い北海道大樹町に拠点を置いていることもあって、1号機からわずか9か月という短期間で再挑戦までこぎつけた。同社の稲川貴大(いながわ・たかひろ)社長は「2号機は1号機のリベンジ戦。一つひとつの部品をきちんと丁寧に造って確認し、詳細を詰めていくことで全体を造っていくという気持ちで作業をしている」と意気込みを語る。  また同社ファウンダーで取締役の堀江貴文(ほりえ・たかふみ)さんは「開発状況を見ている限り、前回失敗したところは適切にカバーできている。心配はしていない」と期待と開発スタッフへのねぎらいを述べた。  MOMO 2号機の打ち上げは、2018年4月28日の11時00分~12時30分に予定されている。トラブルや天候不良などに備えて予備日が設けられている他、打ち上げ見学ツアーも用意されている。最新の情報なども含め、詳しくは同社のWebサイトを確認されたい。

MOMO 2号機の想像図 Image Credit: インターステラテクノロジズ

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