佐々木さやか参議院議員の意見に対して、山口弁護士はどう考えているのだろうか。
「私を含めたAV人権倫理機構の理事の問題意識と大枠では合致していると思います。特に『契約の段階で、しっかり説明をするということ、本人の意思確認を丁寧にしながらスカウトや契約をすることが大事』という点は、よく問題を理解されていると安心しました。ぜひ、AV人権倫理機構からのヒアリングないし意見交換の機会をいただければと思います」
「悪貨が良貨を駆逐する」というが、AV出演強要など問題のある事務所は業界のなかでも少数だ。しかし、ひどい人権侵害がまかり通っていることも事実。国による規制が必要なのか、業界が自ら改革していくことができるのか。その議論はまだ始まったばかりだ。
<取材・文/及川健二(日仏共同テレビ局France10記者)>