SNSの浸透で「タイの飲食店」が変わっている! 悪評拡散を恐れる店員たち
確かにタイのネットの拡散力は日本と同じかそれ以上だ。しかし、日本と違ってタイ人は匿名でも比較的悪いことはあまり書き込むことがない。タイ人の気質ということもあるし、いわゆる炎上騒ぎになるとマスコミや国民の目が一気に自分に向くので気をつけているということもある。タイでは警察署の端末でさえ、タイ国内で交わされているSNSのやり取りをすべて読み取ることができるそうだ。そのため、社会問題になると警察も動くという恐怖心もあると見られる。
だから、よほど悪質なサービスをしない限り、タイでは飲食店が不評の書き込みを恐れる必要はないはずだ。それがなぜ撮影禁止などと言われることが増えたのか? どうやら、従業員サイドが「万が一炎上した場合巻き込まれたら困る」というように過剰に気にしていることが理由のようだ。
いずれにしても、SNSのおかげでタイはかなり快適に暮らせる国になった。一方ではかつてのいい加減でむちゃくちゃだったタイも懐かしく、おおらかさが失われてしまったタイにがっかりするタイ・フリークな外国人も少なくない。それもまあ、よそ者の勝手なノスタルジーなのかもしれないが……。
<取材・文・撮影/高田胤臣(Twitter ID:@NatureNENEAM)>
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たかだたねおみ●タイ在住のライター。最新刊に『亜細亜熱帯怪談』(高田胤臣著・丸山ゴンザレス監修・晶文社)がある。他に『バンコクアソビ』(イースト・プレス)など
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