コスタリカ大統領選の「子ども投票」が盛り上がるワケ
2月4日に本選が行われ、4月1日に決選投票が予定されているコスタリカ大統領選挙。いつになく「盛り上がりに欠ける」と言われた今回の選挙の中でひときわ盛り上がったのが、選挙権のない未成年者による“子ども投票”だ。
若者の低投票率が問題になっている日本でも「模擬選挙」などと呼ばれる未成年者の投票イベントが散発的に行われているが、コスタリカでは官民一体となって“子ども投票”を推進しており、日本の研究者も注目している。その現場の様子をリポートする。
大統領選挙投票日の前日、2月3日(土曜日)。首都サンホセ郊外のサポーテ地区にある、大手家電量販店兼眼鏡屋であるゴジョ(Gollo)の店舗前には、大規模なサウンドシステムが組まれ、“客引き”の男性がマイクを通じて道往く家族連れを誘っていた。
「本日は民主主義の祭典、コスタリカの選挙、大統領候補たちに子どもたちが投票する日です! さあどちら様もゴジョにおいでになって、未来のコスタリカのために、ぜひ投票していってください!」
次から次へと入っていく親子連れについて店内に入ってみると、右手階段下の一角からコスタリカの国旗色である赤・青・白のトリコロールの風船が目に飛び込んできた。子どもたち専用の“投票所”だ。
店員が子どもたちを順番に呼び、タブレットに表示された投票用紙を見せる。子どもたちは思い思いに自分がこの人と思った候補をタップする。投票した印として指にインクをつけ、お土産のジュースと検眼券をもらって投票は完了だ。
そこへ、本物の大統領候補が現れた。子どもたちに囲まれながらこの国の未来を語り、それを秘書がスマホで撮影し、フェイスブックでライブ中継する。この投票所には、13人の大統領候補のうち約半数が訪れた。それだけ、候補者たちも子ども投票を重視しているということだ。
大統領候補も訪れる“子ども投票所”
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