スペイン語圏では、日本の「文書改ざん問題」はどんな報じられ方をしてるか?
La Vanguardia』 (3月12日付、発信元EFE東京)では、「時価の10分の1で国有地が森友学園に売却された」ことを報じている。また、「森友学園は安倍首相と昭恵夫人と絆あり」、「右翼思想を奨励している議論の対象にされた学校法人だ」とも報じている。
「14の文書が調査で改ざんされていた」のが12日に明らかにされたと報じ、「安倍昭恵の名前と彼女が森友学園のプロジェクトを支援していたことが改ざん前の文書から削除」され、「首相夫人はこの学園の名誉校長になる予定であったが、2017年2月にスキャンダルが明らかになって学校開設がとん挫した」ことや、「安倍首相からだとして昭恵夫人は寄付金を渡した」ことにも言及している。そして、安倍首相は「彼と夫人がこの問題に関与していることが明らかとなれば、首相そして議員を辞めることを約束した」ことにも触れている。
他には、『Europa Press』、『El Periódico』、『OKDIARIO』とメキシコの『Expansión』などが12日付の記事で報じている。
アルゼンチンの電子紙『infobae』(3月13日付、発信元ロイターとAFP)では、「国税庁の高官が辞任したこと」と、「職員の一人が自殺し、その家族が関係当局にその背後の解明を求めた」ことにも触れている。更に、「麻生財務相は辞任を否定し、ブエノスアイレスで開催されるG20への出席を辞退する」ことを報じている。
スペインのフランコ独裁時代の代表紙であり、現在はスペインで三番手くらいに位置するメディアである『ABC』(3月16日、発信元ABC北京駐在員)では、安倍総理が支持していたとされる「森友学園が日本を第二次世界大戦に導いた帝国主義に繋がる極右翼の教育に繋がる幼稚園」と指摘している。また、この記事が、スペイン語圏で初めて14の文書の「300カ所が改ざんされている」ことに触れた記事となっている。さらに、「50歳の職員が自殺した」ことにも触れ、「彼が書き残したメモには、彼の上司によって幼稚園の経営者の極右グループを安倍夫妻と麻生太郎が支援していることが明らかになることを抹消させるために彼らについて言及している箇所を改ざんするようにと義務づけられた」と語っていることにも触れている。そして、「彼は全ての責任が彼に及ぶことを恐れて、事前に家族にそれを告白した」ということも書かれている。「昨夏、彼は電話で家族に『肉体的にも精神的にも私は困憊している。夜も眠ること出来ない。きつい、毎月100時間の残業をしている。私の常識はもう破壊された』と伝えていた」ことも報じた。
彼を良く知っている親戚の者は「彼は責任感が強く、不正なことをするのを嫌悪していた。自分自身に厳しい人間で、他人に責任を負わせることを常に嫌った。誰からか彼に救援の手を差し伸べてあげたらよかったのに」と語り、「彼は正直に自分の仕事をしていた」と述べたことを報じた。
他にも、アルゼンチン通信社『Télam』やスペイン電子紙『El Diario』は3月19日付の記事で報じている。いずれもEFE通信東京配信の記事をベースにしている。
以上が改ざん問題に関係した報道を筆者が集めた記事だが、これを多いと見るだろうか、少ないと見るだろうか? 筆者の感想は、やはり日本は極東にある国であり、スペイン語圏のメディアの関心は薄いというものだ。というのも、スペイン、メキシコ、アルゼンチンなどスペイン語圏を代表する紙面『El País』、『El Mundo』、『Excelsior』、『Clarin』ではこれらの関連報道がほとんどないのである。
森友学園に絡む文書の改ざんが明らかにされて日本の政界は震撼している。英語圏のメディアでも報じるところが増えているが、果たしてスペインやラテンアメリカなどスペイン語圏でのメディアではどのように報じられているのだろうか?
3月12日からスペイン語圏で文書改ざんについての報道が始まっている。
カタルーニャの代表紙『各紙の報じ方はまとめ的なものが中心
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