スペイン語圏では、日本の「文書改ざん問題」はどんな報じられ方をしてるか?

職員自殺についても細かく報じた「ABC」。1903年創刊とマドリード拠点の新聞ではもっとも古い

 森友学園に絡む文書の改ざんが明らかにされて日本の政界は震撼している。英語圏のメディアでも報じるところが増えているが、果たしてスペインやラテンアメリカなどスペイン語圏でのメディアではどのように報じられているのだろうか?

 3月12日からスペイン語圏で文書改ざんについての報道が始まっている。

 カタルーニャの代表紙『La Vanguardia』 (3月12日付、発信元EFE東京)では、「時価の10分の1で国有地が森友学園に売却された」ことを報じている。また、「森友学園は安倍首相と昭恵夫人と絆あり」、「右翼思想を奨励している議論の対象にされた学校法人だ」とも報じている。

「14の文書が調査で改ざんされていた」のが12日に明らかにされたと報じ、「安倍昭恵の名前と彼女が森友学園のプロジェクトを支援していたことが改ざん前の文書から削除」され、「首相夫人はこの学園の名誉校長になる予定であったが、2017年2月にスキャンダルが明らかになって学校開設がとん挫した」ことや、「安倍首相からだとして昭恵夫人は寄付金を渡した」ことにも言及している。そして、安倍首相は「彼と夫人がこの問題に関与していることが明らかとなれば、首相そして議員を辞めることを約束した」ことにも触れている。

 他には、『Europa Press』、『El Periódico』、『OKDIARIO』とメキシコの『Expansión』などが12日付の記事で報じている。

各紙の報じ方はまとめ的なものが中心

 アルゼンチンの電子紙『infobae』(3月13日付、発信元ロイターとAFP)では、「国税庁の高官が辞任したこと」と、「職員の一人が自殺し、その家族が関係当局にその背後の解明を求めた」ことにも触れている。更に、「麻生財務相は辞任を否定し、ブエノスアイレスで開催されるG20への出席を辞退する」ことを報じている。

 スペインのフランコ独裁時代の代表紙であり、現在はスペインで三番手くらいに位置するメディアである『ABC』(3月16日、発信元ABC北京駐在員)では、安倍総理が支持していたとされる「森友学園が日本を第二次世界大戦に導いた帝国主義に繋がる極右翼の教育に繋がる幼稚園」と指摘している。また、この記事が、スペイン語圏で初めて14の文書の「300カ所が改ざんされている」ことに触れた記事となっている。さらに、「50歳の職員が自殺した」ことにも触れ、「彼が書き残したメモには、彼の上司によって幼稚園の経営者の極右グループを安倍夫妻と麻生太郎が支援していることが明らかになることを抹消させるために彼らについて言及している箇所を改ざんするようにと義務づけられた」と語っていることにも触れている。そして、「彼は全ての責任が彼に及ぶことを恐れて、事前に家族にそれを告白した」ということも書かれている。「昨夏、彼は電話で家族に『肉体的にも精神的にも私は困憊している。夜も眠ること出来ない。きつい、毎月100時間の残業をしている。私の常識はもう破壊された』と伝えていた」ことも報じた。

 彼を良く知っている親戚の者は「彼は責任感が強く、不正なことをするのを嫌悪していた。自分自身に厳しい人間で、他人に責任を負わせることを常に嫌った。誰からか彼に救援の手を差し伸べてあげたらよかったのに」と語り、「彼は正直に自分の仕事をしていた」と述べたことを報じた。

 他にも、アルゼンチン通信社『Télam』やスペイン電子紙『El Diario』は3月19日付の記事で報じている。いずれもEFE通信東京配信の記事をベースにしている。

 以上が改ざん問題に関係した報道を筆者が集めた記事だが、これを多いと見るだろうか、少ないと見るだろうか? 筆者の感想は、やはり日本は極東にある国であり、スペイン語圏のメディアの関心は薄いというものだ。というのも、スペイン、メキシコ、アルゼンチンなどスペイン語圏を代表する紙面『El País』、『El Mundo』、『Excelsior』、『Clarin』ではこれらの関連報道がほとんどないのである。

次ページ震災以降、スペイン語圏メディアを席巻した日本の話題は?


この記者の記事一覧

※本コメント機能はFacebook Ireland Limitedによって提供されており、この機能によって生じた損害に対して株式会社扶桑社は一切の責任を負いません

ドル円は買いの安心感が広がり、強含みの展開に

 昨日のドル円は、東京市場では日米首脳会談後の共同記者会見で、トランプ米大統領から対日貿易赤字に対する強硬な批判がなかったことで、ドル円は買いの安心感が広がりました。また、日経平均株価が200円超上昇したことも支えとなり、一時107.51円近辺まで値を上げる展開になりました。欧米市場では、… [続きを読む]
連載枠
連載一覧
菅野完

菅野完

草の根保守の蠢動

稲田防衛大臣と国有地払い下げ事件の塚本幼稚園を結ぶ「生長の家原理主義ネットワーク」【特別編】

東條才子

東條才子

現役愛人が説く経済学

「お金持ちに見初められ、体を差し出せば愛人になれる」は大間違い

北条かや

北条かや

炎上したくないのは、やまやまですが

水原希子も怒り心頭! 荒木経惟がモデル女性に注いだオリエンタリズムのまなざしとは

山口博

山口博

分解スキル・反復演習が人生を変える

深夜便での海外出張は、深夜残業にあたるか?!

清水建二

清水建二

微表情学

<連載50回記念>微表情にまつわるあらゆる質問、疑問にお答えします

都市商業研究所

都市商業研究所

西武の新しい顔「拝島ライナー」登場!――好調の裏にあったかつての「苦い失敗」

安達 夕

安達 夕

韓国の女子高で“#MeToo”! セクハラ教師軍団に鉄槌が下される

橋本愛喜

橋本愛喜

日本人が公共の場で、“1人分のスペース”を死守する理由とは?

Yu Suzuki

Yu Suzuki

快適ビジネスヘルスハック

「ほめて伸ばす」は間違い! 頭が悪い人たちの間で今だに信じられている学習法4つ

石原壮一郎

石原壮一郎

名言に訊け

つまらない悩みにクヨクヨする自分を奮い立たせる三島由紀夫の至言

マッチョ社長

マッチョ社長

筋トレで解決しない悩みはない!

間違ったダイエットで、仕事に悪影響を与えないためには?

闇株新聞

闇株新聞

東芝を海外勢に叩き売ってはいけないたった一つの理由