ZARA、MANGOに続く第三のスペインブランド「DESIGUAL」、アジアの中では日本市場での販路拡大を期待

白石和幸

個性的なデザインだが、日本での販路をさらに拡大できるか? photo by Herry Lawford via flickr(CC BY 2.0)

スペインのアパレル業界のトップはZARAを傘下に収めているグループ企業インディテックス(Inditex)である。その次に続くのが、90年代前半までZARAと対等に競っていたカタルーニャ生まれのMANGOが続く。その後に同じくカタルーニャで1984年に誕生したDESIGUAL(デスイグアル)というブランド企業が存在しているのをご存知だろうか?

 ロゴマークでは「S」を逆に書いたようになっているこのブランド名は「同じではない(It’s not the same)」という意味をもってつけられたネームである。スイス人のクリスチアン・メイヤーとトーマス・メイヤーの兄弟がバルセロナで設立した企業である。

 日本での知名度はさほど高くはないものの、自営店とフランチャイズ店とで世界100か国に店舗を構えており、2017年の店舗数は515店で自営409店、フランチャイズ106店となっている。そして、実はその内の20店舗がデスイグアルの自営店として日本に出店している。(参照:「El Economista」)

 実はこのブランド、アジアの中では日本市場の販路拡大を一番期待しているのだという。その背景には、デスイグアルが直営店を開設する以前から、このブランド商品を日本に輸入し販売に取り組んでいたLTNという小規模なアパレル商社の存在がある。これからも同社の協力も得て販路の拡大を期待しているわけである。同社の存在もあって、日本市場は安心して商売できるといわけである。

 また、同ブランドが全世界的にセール初日に行う「セミネイキッドセール」は、「seminaked(=半裸)で来店すると好きなアイテム2点を無料でもらえる」というヨーロッパのパリピ的なノリながら日本のメディアなどでも注目されつつある。

カラフル過ぎるデザインはウケるか?

 デスイグアルはもともと日本で直営店かフランチャイズ店を開設するというのが販売戦略の基本であった。しかし、日本市場での販売がZARAなどと比較して伸展が遅いというのは、同社のカラフルなデザインが日本市場で受け入れられにくいという要因がある。

 世界のアパレルブランドが溢れている日本市場で、デスイグアルのカラフルなデザインはどうしても少数派を対象にした市場になってしまうということから知名度はまだ低い。

 欧州市場ではそれなりのポジションを築いている同ブランド、現在は4500名の従業員を抱えているが、順風満帆というわけではない。しかし、2014年の売上9億5350万ユーロ(1240億円)をピークに、その後売上が落ちている。昨年は7億6100万ユーロ(930億円)だった。粗利も2014年の2億6150万ユーロ(340億円)から昨年は1億1900万ユーロ(155億円)という結果になっている。昨年の経常利益も僅か4700万ユーロ(61億円)に留まっている。

 売り上げ後退の要因としては、ヨーロッパの景気の低迷とブランドの特徴であるカラフルデザインにも市場で飽きが生じていることが挙げられる。

 ただ、2014年にフランスの投資企業Eurazeoグループがデスイグアルの10%の株を購入しての資本参加もあり、2015年から5年プランを基に業績の回復に店舗の刷新などを行っている。(参照:「El Confidencial」)

 刷新プランとしては、今年1億3000万ユーロ(169億円)を投じて店舗の刷新するほか、50店舗を新たに開設する予定になっている。また不採算店舗の閉店も行っており、昨年は64店舗を閉鎖している。

 そのため、今年から売上は上向きになると経営陣は見ているという。

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デザイン模倣の批判も……

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