「#MeToo運動」のバックラッシュ。米国男性が気勢を上げる「MGTOW」ムーブメント

水次祥子

PDPics via Pixabay(CC0 Public Domain)

 セクハラ被害を告発する#MeToo運動は世界的な一大ムーブメントとなり世間を賑わせてきたが、その陰で#MeToo発祥の地である米国にバックラッシュの波が押し寄せている。米国の男性たちが、それら運動を推進する女性たちと敵対するかのようにMGTOWムーブメントで盛り上がっているのだ。

 MGTOWとは「Men Going Their Own Way(我が道をいく男)」の略で、ネット上で形成しているコミュニティを指すこともあれば、ムーブメントに賛同する男性たちそのものを指すこともある。彼らは恋人も妻も持たず独身主義を貫こうというポリシーを共有し、フェミニズムに反発し「男性差別反対」を標榜し、しかしマイノリティの人権運動家とも立場を異にし、男性復権の道を模索しようという思想でつながっている。

 コミュニティは何年も前から存在はしていたが、#MeToo運動が大々的なものへ発展していった時期から同じように盛り上がりを見せ、コミュニティの掲示板では「2018年はMGTOWの年。これもMeTooのおかげだ!」と勢いづいている。

匿名掲示板で気勢を上げるMGTOW男性たち

 例えば米国の匿名掲示板「Reddit」には数多くのMGTOW関連スレッドがあるが、そこに集う男性たちの声は今、意気揚々だ。元カノに振り回され疲れ果てた20代のある男性は、恋愛から遠ざかって3年が過ぎ「彼女を作らないことは、自分の人生でベストの選択だと気づいた。地味に暮らし、一生懸命働く。最高だ」と告白する。関連スレッドから、その他いくつかの典型的な声を紹介しよう。

「MGTOWは急激に増えていくだろうね。2017年に女たちが取った行動、あのセクハラ告発、被害主張の数々は、男を彼女たちから遠ざけ、MGTOWになるという結論に行き着くよう仕向けているだけだ」

「結婚なんて、世の中で一番ひどい詐欺だ。何の得もない。ただの形式でしかない。30~40パーセントの男は、MGTOWでいて欲しいね。それで大きな影響が出ることもない。もし女たちが僕らを思いとどまらせないのなら、社会はその方向へ進んでいくと思う」

「もし万が一、女性たちが僕をデートに誘ってくるようになったとしても、中年になった今の僕は、20代のときに女性に無視されたことを常に忘れていない。そんな僕がなぜ今、あの当時、僕とデートすることなど考えもしなかった女性と、デートをしなければならないのか。なぜ、自分が築き上げてきた生活のレベルを、20代だったときには見向きもしてくれず自分と一緒に築き上げようともしてくれなかった女性とシェアしなければならないのか。世の中を公平に保つために、僕はMGTOWにならなければならない、と言っていいのではないか」

「君らもMGTOWになれよ。本心から言うけれど、僕には最高に合っている。これ以上の幸せと安らぎを感じたことはないよ。しかも、自信も漲り、過去経験がないほど資産も増えた。自分が金持ちだとは言わないが、借金はないし……貯金と投資資産が着実に増えている。本当にウィンウィンだよ」

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「保守派男性差別」を訴える元Google社員

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