金融マンぐっちー氏「アベノミクスは失敗です」
2014.12.15
再三、アベノミクスという虚構を指摘しつづけたぐっちーさん。増税先送り、衆議院解散という動きのあった今。あらためて安倍内閣が推し進めるこの独善的な政策にメスを入れる。
(現役金融マン ぐっちー氏)
安倍首相は消費税を8%に据え置き、1年半後の増税を決定。これまでのアベノミクスの信を問う衆議院解散、というウルトラCの敢行を決めました。大義のあるなしは、ここでは議論をしませんが、一体何をするための解散だったのかは極めてわかりにくいことは確かです。
バンザイ解散などと呼ばれていますが、その「自爆解散」に際して、これまで本稿で何度も検証してきましたが、アベノミクスの経済効果を再度検証しておきましょう。
アベノミクスが失敗に終わっていることはさまざまな経済統計が明らかにしています。第一、何よりも消費税増税を見送ったのは景気が悪い、と判断したからです。もしアベノミクスが成功だったと言うのなら増税を先送りする必要などまったくなかったわけですから完全に矛盾していますね。
消費税を増税すれば今やGDPの60%を個人消費が占めている日本経済のマクロ経済が悪くなるのは子供でもわかること。むしろ安倍政権はそれを予期したからこそ、公共投資増大という政策をとり、今年もすでに3.5兆円の補正予算を組み込む予定です。これではそもそも財政再建のために消費税を上げたという意味がまったくない。むしろ財政支出を増やしているではないか。
マクロ統計を見ると、今回の増税見送りのきっかけとなった7―9月期のGDPはマイナス1.6%と前期のマイナス7.3%と同様に、連続してマイナス。私は政治家、御用エコノミストなどとは異なり、我々への消費税の影響はそれほど軽微ではない、と散々指摘してきました。
消費支出(2人以上世帯)も9月は27万5226円、前年同月比マイナス5.6%となり、6か月連続でマイナス。さらにこの数字はあの震災後、東京でも買いたくても何も買うものがなかった’11年3月の29万1900円よりも低いというのですから、そのダメージは凄まじいと言えます。
⇒【資料】はコチラ https://hbol.jp/?attachment_id=16179
⇒【後編】「アベノミクスはブードゥー経済学」に続く https://hbol.jp/16175
【選者】現役金融マン ぐっちー氏
ウォール街で20年生きてきたノウハウからブログを執筆するアルファブロガー。金融と経済を中心としたオピニオンブログ「THE GUCCI POST」(http://sweetpoolside.jp/)を主宰している
アベノミクスが失敗だったことは誰が見ても明らかです
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