写真/泉澤義明
フリマアプリでの販売が個人でも簡単に出来て注目されているためか、リサイクルショップや古物商といった職業がテレビ・雑誌などでも最近多く取り上げられるようになりました。
主婦が不用品販売からはじめて貯金1000万円、バブルの時に買った、ブランド品が全部で300万円に……なんていう事例を耳にして、自分もやってみようと思う人がいるのは自然なことだと思います。
私自身も起業のきっかけは、ヤフオクで商品を販売した事がきっかけでした。始めた時は、起業するなんて思ってもいませんでしたが、売れるのが楽しくなり、現在は千葉県船橋市にリサイクルショップを経営するまでになりました。
これから起業のきっかけは、メルカリと言う方も増えて行くのではないでしょうか?
ヤフオク・メルカリなどの物販で継続的に利益を出すためには、安く仕入れて、高く売る事が基本です。また、売れやすくする為には、商品のタイトル・商品説明文・キャッチコピーなど考えることも重要です。
写真撮影も見栄えが良いように、考える事で他の人と同じ商品を販売していても、自分の商品の方を選んで貰うように考えたりする事で売れ易くなるからです。発送する際にも、どのようにしたら購入した方が喜んで頂けるかなど考えるなど、古物商やリサイクルショップ以外のビジネスにも役立つ事が沢山詰まっていると思います。
そのため、取り立てて専門知識がないが起業してみたい、インターネットを使って、何かをはじめたいと思っている方はまずは不用品販売からはじめると良いと思います。
そして、面白くなったら古物商を取得すると良いと思います。(参照:
『人気の副業、フリマアプリ転売に「古物商免許」は必要なのか?』)
中古品などを継続的に扱う場合古物商はなぜ取得しないといけないかと言うと、本物・偽物の真贋などもありますが、主に盗難品の観点からです。
良くブランド品をフリマアプリの出品している欄をみると、シリアル番号の記載があると思います。逆に記載がないと出品を取り消されてしまう商品もあります。
盗難品は、買い取り専門店・リサイクルショップに持ち込みをして現金化したりされます。また、盗難品がインターネットで販売される場合が多々あるそうです。
当店でも過去にこんな事例があります。当店から盗難された商品が、もしかしたら、ネットで販売されているかもしれないと思い、検索をしていたら、盗難にあった商品のシリアル番号が同じで・特徴が似ていた商品をオークションで見つけたのです。
その事を警察に伝え、捜査をして頂きました。
この時役に立ったのが、古物商が義務付けられている「古物台帳」という帳簿の存在です。この帳簿に控えられていたシリアル番号・特徴が証拠となり犯人を特定できたそうです。後から警察の方に聞いたのですが、私のお店だけではなく、数十店のお店も同じ方に盗難にあっていたそうです。
古物台帳は古物商が記録することを義務づけられている帳簿で、
【受け入れの場合】
・年月日/その古物を受取った日付
・区分/「買受」・「委託」、又は「交換」の旨
・品目/受け取った古物の通称名、グレードなど
・特徴/シリアル番号や車体番号、年式や細かい特徴など。
・数量/その古物の数量(基本的にはひとつにつき1つの欄を使用するので、基本1で)
・確認の方法/相手の真偽を確認する為に行った手段。文書交付を受けた場合はその旨も
・住所、氏名、職業、年齢
【払い出しの場合】
・取引の年月日
・区別
・取引相手(住所・氏名)
を詳細に記録する必要があります。1万円以下の取引や、免除されている特定の品物以外はすべて記載義務があります。面倒に思われるかもしれませんが、盗難品などを出まわるのを防ぐためにも必要なことになっているのです。
そのため、お店にも、盗難品を売りに来たものがいないか? 古物台帳の確認に警察の方がこられます。