2018年の投資テーマ「人生100年時代」。人気アナリストに聞く、期待の8銘柄
最近、にわかに「人生100年時代」という言葉がクローズアップされるようになっている。昨年9月、安倍政権が「人生100年時代構想会議」を設置したことで、国策のひとつとして株式市場でも関心が集まるようになり、この言葉をタイトルに関した書籍も相次ぎ発刊されて、ちょっとした流行語と化している。
「医療の発展とともに。いっそうの長寿化が進んでいくのはまず間違いないことでしょう。また、高齢者の増加に伴う医療費の膨張も国にとっては大きな課題です。こうした背景を踏まえると、株式市場でも『人生100年時代』が息の長いテーマとして注目される可能性が考えられます」
こう指摘するのは、投資情報会社・フェアトレードで株式アナリストを務める田村祐一氏だ。では、その関連銘柄のド真ん中に位置づけられるのは、いったいどのような企業なのか?
「やはり、大本命は介護ビジネスでしょうね。その中でも私が特に期待を寄せているのは、訪問介護・訪問入浴サービスを主軸に展開しているセントケア・ホールディング(東1・2374)と、福祉用具レンタル卸最大手の日本ケアサプライ(東2・2393)です。また、介護用ロボットを開発しているCYBERDYNE(M・7779)に対するニーズも拡大するでしょう」
もちろん、介護とともに医薬の需要も拡大するのは必至で、高齢者と言えば大量の薬を常飲しているイメージが強い。薬品メーカーの中で、田村氏がフォーカスを当てているのは次の企業だ。
「国内薬品メーカーの最大手で、製薬糖尿病や高血圧などといった生活習慣病関連の薬に強い武田薬品工業(東1・4502)が特に興味深いですね」
一方、高齢になっても健康を保っているシニアも少なくない。公的年金の受給開始年齢をさらに引き上げる構想も出ているし、安倍政権が目玉の国策として掲げる「1億総活躍社会」とは、シニアも可能な限り働くことが前提となっている。
「変わり種として挙げられるのは、シニアの人材派遣に特化したサービスを提供しているキャリア(M・6198)です。なお、同社は高齢者向け施設に看護師や介護士を派遣するサービスも手掛けています」
ここまで病人と健常者にスポットを当ててきたが、実はその中間に位置しているシニアが最も多いかもしれない。検査結果に異常が見られるものの、自覚症状がなかったり、自覚症状があるのに、検査結果には異常が見られなかったりという、病気とも健康とも言いがたい“未病”というゾーンだ。
「病気の範疇に入るまで悪化させないために、適度な運動を習慣化することが奨励されています。ルネサンス(東1・2378)のようなフィットネスクラブでも、シニアの利用者が増加していくことになるでしょう」
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