ついに日本上陸を果たす、アジア1位の中国スマホメーカーOPPOとは?

日本上陸、その勝算は?

 アジアで1位に成長した広東欧珀移動通信がついに日本へ参入する。東京都内に日本法人としてOPPO Japanを設立し、OPPO Japanを通じて日本国内の事業を行う。  日本では第一弾として「OPPO R11s」を発売することが明らかにされている。OPPO R11sは広東欧珀移動通信が旗艦機種として展開するスマホで、日本ではそれを第一弾として投入することになる。ディスプレイは鮮やかな約6.01インチの有機ELを搭載し、全画面に近いデザインに仕上げている。背面には約2000万画素と約1600万画素のデュアルカメラ、前面には約2000万画素のカメラを備えており、日本でもカメラフォンとして展開する。全体的な性能は他社の高価格帯のスマホと比べると低いが、一般的な利用環境では問題なく使えるだろう。

日本で発売するスマホ「OPPO R11s」

 ただ、広東欧珀移動通信が参入する国は多くが新興国で、経済協力開発機構や国際通貨基金の基準で判断すれば、先進国は豪州、ニュージーランド、そして日本の3か国にとどまる。  しかも、2017年に参入したばかりのニュージーランドは仕方ないとして、2014年に参入した豪州では苦戦を強いられている。販売契約を締結した家電量販店が経営破綻で閉店する災難もあったが、その後はすべての携帯電話事業者が取り扱い、豪州全土で販売チャネルを確保するものの存在感はない。あらゆる費用が高い豪州だけに費用対効果の問題もあるが、豪州ではオフラインの展開が低調で知名度も低い。新興国では歩けば目にするOPPOブランドも、豪州では家電量販店の奥でようやく探し当てたくらいだ。

家電量販店の奥にひっそりとOPPOコーナー(豪州・キャンベラ市)

 豪州のスマホ市場は米国のAppleと韓国のサムスン電子が圧倒的に強く、特にAppleの人気は極めて高い。広東欧珀移動通信も豪州で出荷台数が伸びたとはいえ、2強の牙城を崩せておらず、脅威となるには程遠い。高所得で有名な豪州だけにスマホは高価格帯が主流で、カメラなど全体的な性能やブランド力の高さで選ばれており、AppleのiPhoneシリーズやサムスン電子のGalaxy Sシリーズが人気だ。  また、スマホの販売形態も新興国とは異なり、携帯電話事業者の取扱店でポストペイド契約を伴う販売が多い。そのため、メーカーの実店舗を広く展開する戦略は難しく、それも考慮して実店舗の展開に積極的ではないのだろう。とにかく、勢いがあるメーカーとはいえ、先進国の豪州では新興国での武器が通用していない。  日本のスマホ市場は新興国のそれより豪州のほうが近く、Appleが強い中でそう簡単には攻略できないはずだ。ただ、さらなる成長には先進国の攻略は避けられず、日本での取り組みは注目に値するだろう。 <取材・文・撮影/田村和輝> たむらかずてる●国内外の移動体通信及び端末に関する最新情報に精通。端末や電波を求めて海外にも足を運ぶ
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