個人ではなく集団脱北の場合は、韓国による拉致である可能性が濃厚!?

安達夕
 9日に開催された韓国と北朝鮮の南北閣僚級会談において、平昌(ピョンチャン)オリンピックへの選手団等の派遣について合意がなされたのは既報の通りであるが、実は会談の席において、韓国側が南北離散家族の再会についても議論されたが、北朝鮮側が拒否していたと韓国の中央日報が報じている。

 韓国と北朝鮮の間には、韓国・金大中(キム・デジュン)元大統領、廬武鉉(ノ・ムヒョン)元大統領の時代の融和政策の成果物として、様々な交流が行われており、朝鮮戦争の際の離散家族の再会は、両国の赤十字社が主管する主要な事業の一つであったが、朴槿恵(パク・クネ)元大統領の時代の2015年10月依頼、中断されたまま今日に至っている。

 北朝鮮に対し積極的な融和路線を推進している文在寅(ムン・ジェイン)大統領は、平昌五輪を機に、南北間で停滞している事業の再開を目指しており、離散家族の再会は文大統領の公約の一つであると同時に、北朝鮮への急接近に不安を持つ韓国世論に対する有効な政治手段である。

 文大統領としては、積極的に解決したい問題であったが、この件については北朝鮮に一蹴された形だ。

 北朝鮮・金正恩委員長の「新年の辞」により、急接近した南北関係であったが、北朝鮮はなぜ離散家族の再会を拒んだのか。

 14日、韓国の関係者が明かしたところによれば、韓国側は「北朝鮮の非核化問題の議論とともに、南北離散家族の再会をまた始めよう」と説得したところ、北朝鮮側は「我々は離散家族再会の前提条件を何度も提示している。貴国がやるべきことをまずやるべき」と拒否した。

 この北朝鮮担当官が話した「前提条件」とは、2016年4月に中国内にある北朝鮮が運営するレストラン「柳京」から12人の女性従業員が韓国側に入国した問題を指している。韓国や日本のメディアの報道によれば、「レストラン従業員たちによる集団脱北」として扱われているが、北朝鮮側は「これは誘因・拉致」であるとしている。

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集団脱北した女性らをめぐる、いくつもの不審な点

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