合意形成のためには、問題点を「深く掘り下げる」のは正解か?

行動することで考え方や意識が変わる

 問題点の洗い上げや掘り下げに、付箋を使用して、問題点を書き出してもらい、その付箋をグルーピングして、多数決などで優先順位を付けていく方法もあります。しかし、私は、付箋を用いないで、進行役が洗い上げ質問により、異論や懸念を洗い上げ、掘り下げ質問により議論の優先順位を掘り下げていく方法をお勧めしています。経験的にも、付箋を用いない方式の方が、合意度が高まるからです。  付箋に考えを書き、書かれたものを読むという行動よりも、自分の考えを発言して、他の人の考えを聞いて共有するという行動の方が、大きなエネルギーを費やします。演習や企業のサポート経験をふまえれば、大きなエネルギーを費やす行動をすることの方が、考え方を洗い上げたり、掘り下げたりする効果が高いからなのです。  行動することで、考え方や意識が変わる、それも大きな行動をしたり、反復行動をしたりすれば考え方や意識が変わりやすい……これが私がリーダーシップスキル、ビジネススキルの反復演習プログラムを実施してきて見出した持論です。掘り下げ質問により、最も深刻な問題を見出すことが出来たら、次は示唆質問によって方向性を示唆しましょう。 ※「示唆質問」については、近日公開予定。 【山口博[連載コラム・分解スキル・反復演習が人生を変える]第66回】 <文/山口博> 【山口 博(やまぐち・ひろし)】グローバルトレーニングトレーナー。モチベーションファクター株式会社代表取締役。国内外企業の人材開発・人事部長歴任後、PwC/KPMGコンサルティング各ディレクターを経て、現職。近著に『チームを動かすファシリテーションのドリル』(扶桑社、2016年3月)、『クライアントを惹き付けるモチベーションファクター・トレーニング』(きんざい、2017年8月)がある。
(やまぐち・ひろし) モチベーションファクター株式会社代表取締役。国内外企業の人材開発・人事部長歴任後、PwC/KPMGコンサルティング各ディレクターを経て、現職。近著に『チームを動かすファシリテーションのドリル』(扶桑社新書)、『クライアントを惹き付けるモチベーションファクター・トレーニング』(きんざい)、『99%の人が気づいていないビジネス力アップの基本100』(講談社+α新書)、『ビジネススキル急上昇日めくりドリル』(扶桑社)がある
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