北朝鮮カウントダウンツアー、日本からは10人ほどが訪朝。大型イベントは変わらず実施

新春コンサート開演前の国歌斉唱は全員起立する

 相次ぐ国連制裁強化で貿易が制限され外貨獲得手段が減っている北朝鮮は、2013年に冬季滞在を開放して以降、恒例となっているカウントダウンイベントで得られる外貨に期待している。2018年を北朝鮮で迎えた日本国籍者は10人ほどいたと見られ、手配する旅行会社によると例年通りかむしろ多かったという。  2017年は、北朝鮮への国際的な圧力が日に日に高まった影響もあり、予定されていた大同江ビール祭りや白頭山ツアー、元山国際航空ショーなどが中止に。いずれも直前の中止発表で、本来はイベントに合わせて訪朝するはずだった訪朝者はキャンセルできずにそのまま普通の観光になった人も少なくなかった。

氷祭りやカウントダウン花火、新春コンサートまで

 ただ、北朝鮮は初秋の段階で、「今年はカウントダウンイベントも中止になる可能性が高い」と各旅行会社へ通達をしていたが、11月には前言を翻し、「大型イベントの自粛は続いている状況ではあるが、年末年始のイベントは例年通り実施する。我が国は訪朝を希望する外国人をいつでも歓迎する」と弱気なのか強気なのか分からない通達を出していたのである。  北朝鮮で年末年始に行われるイベントは、昨年から始まった第2回氷祭り、大晦日の新年近くから打ち上がるカウントダウン花火大会、そして、元日は、新春コンサートが盛大に行われた。これらをメインイベントに通常の観光コースを加えて巡ることになる。

のどかな北朝鮮の冬景色

 北朝鮮の正月は中国のように旧正月に比重を置いたものではなく、新正月と旧正月を半々ぐらいで祝うもので、1月1日の元日は祝日であるが、飲食や観光は問題なく行える。今年のカウントダウンツアーは、2017年1月に開店した故金正日総書記の料理人だった藤本健二氏が料理長を務める「日本料理たかはし」への来店希望をする人もいたようだ。  その一方で、謎の禁止も明らかになっている。故金日成主席と故金正日総書記の遺体が保存されている「錦繍山太陽宮殿」への訪問ができなくなった。
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