アイドルの握手会に来る、キモいファン対策を考えてみた<北条かや>

各アイドルに「触れられたくない話題」を事前表明してもらえ!

 私が彼女たちを代表する気はないし、その資格もないが、あまりにもひどいので対処法を考えてみた。  どうか怒らずに最後まで読んでほしいが、とりあえず握手会に際して、1人1人のアイドルに「触れられたくない話題」を表明してもらう必要があるんじゃなかろうか。  それらを箇条書きにして、握手会場の目立つ場所に貼り出しておくのである。  胸のサイズをイジられたくないA子さんは、「バストサイズのことは言わないで」。太ったとか痩せたとか、言わないでほしいB子さんは、「体重、体型についてはNG」。紙に書いて貼っておく。  そうでもしなきゃ、ファンからのセクハラ発言はやまないと思うんですよ。  心理学には「帰属のエラー」なる概念がある。人は、他人の発言を、外的要因(「アイドルだからニコニコしてくれてるんだな」)ではなく、内的要因(「心底うれしいと思っているからニコニコしてるんだな」)と勘違いしてしまうっていう、アレですね。  セクハラ発言をしても、アイドルとファンという関係上、ニコニコと対応されるファンは勘違いしてしまう。「あ、胸のことをイジると、この子、喜んでる!」……で、最終的に「キモいよ!」と言われちゃう。握手会っていう「外的要因」があるから、ファンが全て悪いとも言い切れないけれど。  つまり解決策としては、各アイドルが「言ってほしくないこと」を握手会のブースに貼り出すしかないわけです。言わなきゃ「帰属のエラー」によって、嫌なことも嫌だと伝えられないんだから。  運営の皆さん、女の子たちがセクハラで嫌な思いをしないよう、どうか対処のほどよろしくお願いいたします。 <文・北条かや> 【北条かや】石川県出身。同志社大学社会学部卒業、京都大学大学院文学部研究科修士課程修了。自らのキャバクラ勤務経験をもとにした初著書『キャバ嬢の社会学』(星海社新書)で注目される。以後、執筆活動からTOKYO MX『モーニングCROSS』などのメディア出演まで、幅広く活躍。著書は『整形した女は幸せになっているのか』(星海社新書)、『本当は結婚したくないのだ症候群』(青春出版社)、『こじらせ女子の日常』(宝島社)。最新刊は『インターネットで死ぬということ』(イースト・プレス)。 公式ブログは「コスプレで女やってますけど
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