【ジュンが歩んだ軌跡】「びっくりするくらい負けた」経験から、負け方があるなら勝ち方があるはずと発想を転換。FXにしがみついて見事に億超えを果たす。’17年前半はマイナスの月が続くなど苦戦したが9月に650万円、10月に460万円を稼ぎ出して挽回する
「『時間』を意識しながらのスキャルピングが特に有効な時期というのがあって、
朝9時の日本株オープンと15時のクローズ、銀行の仲値が決まる9時55分、中国人民銀行が人民元の基準値を発表する10時15分などは、為替市場が動きやすいとして投資家が警戒する時間なんです」
こうした時間帯にどんな値動きをするのか、毎日市場を観察してクセを把握していった。
「毎日、為替市場を見ていると『昨日もこの時間に動いたな』と決まった時間に特徴的な動きをすることがあります。
『18時ちょうど』のようなピッタリの時間にもクセが出ることもある。そうした時間の節目、通貨のクセを知っていると、トレードのチャンスが広がりますね」
《時間帯のクセを狙う》
9:00 日本株市場オープン
9:55 仲値
10:15 人民元
15:00 日本株クローズ
16:00 欧州早出組
株式市場のオープンや欧州勢の参入、それに「19時ちょうど」などキリのいい時間には特徴的な値動きをすることがある
では、具体的な手法を見ていこう。ジュン氏のスキャルピングはチャート重視のプライスアクションだ。
「僕のやり方は
逆張り。ただ、レンジを想定しての逆張りではなくて、値動きが強まったときの逆張りです。
『オーバーシュートの逆張り』とか『ブレイク失敗の逆張り』といったイメージですね。特に経済指標もないのに米ドル/円が突然10pips、20pipsと動くことがありますよね。そうした異常な値動きがあれば、リバウンドを待つ。ローソク足の伸び具合を注視し、
『最後のひと伸び』が終わったなというところで逆張りエントリーします」
スキャルピングでは値動きが強まったところを狙う順張りエントリーが主流。ジュン氏の考え方は正反対で、リバウンドの始まりを見極めるのが難しそうだ。「1分足のローソク足にヒゲができたらリバウンド開始」といったイメージだろうか?
「ヒゲは見ません。チャートも縮小して、1本1本の形が見えないくらい小さくしているので、そもそも僕のチャートではヒゲが見えない。
チャート上でローソク足が伸び縮みする様子だけで『最後のひと伸びが終わったな』と判断。
利益確定はリバウンドが終わったら。1、2pipsが多いです」
狙う利益はかなり小さい。1トレードで大きく抜いていくことは考えないのだろうか。
「ホームランバッターになれるのは、天性の才能に恵まれた人だけですよね。努力したって誰もがなれるものじゃない。でも、
バント職人なら別。努力次第で
才能に関係なく成功への期待値を高めることができますよね」
目指すはリバウンド職人。では、損切りはどう考えるのか。かつて実践していた「早すぎた!」と思ったらナンピンを今もやっているの?
「今は資産も増えたので極力ナンピンせず、エントリーが早すぎたと思ったら即切ります。安全のためにエントリーと同時に
6pips離れたところに逆指値が入るように設定してます」
基本的に狙う通貨ペアはスプレッドの狭い米ドル/円。たまに英ポンド/円がオーバーシュートしたら、
リバウンドチャンスを狙う。
【リバウンド狙いのスキャル】サポートラインである直近安値を割って急落していく動き。オーバーシュート気味に勢い良く動いたときは必ずリバウンドが来る。勢いが終わる「最後のひと伸び」を為替レートの動きから見極めてエントリー、2pips程度を掠め取るのがジュン氏のやり方だ