「希望の党」玉木新代表が北朝鮮先制攻撃「容認」から「反対」へ路線変更!?

小池前代表の“影”が透けて見えた玉木新代表の国会質問

希望の党代表選

小池氏の後継をめぐる「希望の党」共同代表選では、玉木雄一郎氏(右)が大串博志氏(左)を破って選出された

 11月14日の小池氏の電撃的代表辞任から6日後の11月20日、「希望の党」玉木雄一郎新代表は国会で初めての代表質問に臨んだ。その質問からは、対米従属志向の小池前代表(東京都知事・「希望の党」特別顧問)の“影”が透けてみえた。  その内容とは、「先の日米首脳会談で北朝鮮への圧力強化で合意したことを積極的に評価します」「『(日米首脳会談で)日米両国が北朝鮮問題で100%とともにある』と確認されました」と安倍政権を評価したものだった。さらに「私は、北朝鮮への宥和政策には反対です。北朝鮮の核・ミサイル保有が固定化されてしまうような、最悪の宥和政策に引き込まれる事態は断じて避けなければなりません」とも強調していたのだ。  実質上、希望の党は小池氏が、後継指名(禅譲)をした玉木代表に影響力を及ぼすことが可能な体制になっている。党執行部を“親小池”の結党メンバー(長島昭久政調会長、細野豪志憲法調査会会長)で固め、本部には総選挙で候補者調整をした側近の尾崎良樹事務総長もいる。代表辞任したものの、小池氏の“院政”が続いているとみられている。

「100%アメリカと共にある」ことへの問題点を強調

 ところが11月28日の玉木代表の会見では、これまでの論調に変化がみられた。玉木代表は、記者の質問にこう答えたのだ。 ――代表質問で日米首脳会談を評価される質問をしていましたが、質問があります。 1点目は、トランプ大統領が「アメリカ経済が一番で日本が二番」と言った時に安倍総理は何も反論せず、ワシントンポストは「トランプの忠実な従属的助手の役割」「親が子供を諭すようだ」というやりとりがありましたが、それでも(日米首脳会談を)評価されるのでしょうか。 2点目は、「北朝鮮の核ミサイルが固定化されるような最悪の宥和政策」と(代表質問で)指摘していますが、これを裏返せば、核ミサイル完成前の先制攻撃を容認する考えにも受取れます。(報復で)100万人規模の被害想定が出ている中でも、北朝鮮先制攻撃を容認するのでしょうか。反対するのでしょうか。 3点目は、石破茂元防衛大臣は「警察官と民間警備会社が原発を守っているのは日本ぐらいしかいない」と原発テロ対策が甘いことを指摘しているのにもかかわらず、ほぼノーガード状態で北朝鮮に圧力をかけている安倍政権のあり方を問題だと思わなかったのでしょうか。 玉木代表:北朝鮮の問題、南シナ海の問題があるので日米の連携を強めていく観点において両国首脳が緊密なコミュニュケーションを取ったことは評価しましたが、ただ「100%ともにある」という強い言葉で言ったことが軍事行動(を意味する)とか、着地点を考えずに単に100%アメリカと一緒になって圧力をかけていくことへの問題点については、しっかりと考えるべきだと。  特に、国民に対して及ぼす影響も踏まえて、しっかりと考えてやるべきだと。日米同盟は大事ですが、何でもかんでもアメリカにつき従うことがかえって我が国の国益に反することもありうる。そこは慎重に対応するべきだと。そういった主旨で質問をしましたので、今まさに質問をしていただいた懸念を私も共有しているからこそ、ああいった質問をさせていただいた次第です。
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玉木代表は「院政」を抜け出せるか?
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