急増する中国スタートアップの原動力。中国版Snowも輩出した深センの起業支援サービス「サラダ大学」に潜入

 深センでスタートアップが急増している。その背景を探るべく、スタートアップ支援サービスである「サラダ大学(沙拉大学)」という施設を訪問しインタビューを行った。  深セン市の南山区にはシリコンバレー的な意味を持つ「科技※」(※口の中に元)と呼ばれるエリアがあり、その一帯に多くのIT企業が乱立している。中国ITモンスターの代表格であるテンセントもこのエリアに自社ビルを構えている。  サラダ大学は、起業したいという想いを持った人達が登録する起業支援のサービスだ。大学のときに同級生だったという三人組がスタートさせ、現在200名以上が登録している。登録者の多くは20代と若く、特にマーケティング関連に興味を持っている人が多い。これから起業したい人、すでに起業している人が混ざり合っている。中には網紅(ネット上のインフルエンサー)になりたいという人もいるようだ。  特にゼロイチのフェーズを手助けするというコンセプトがあり、この大学に入ることで起業のノウハウを学べる。特にインターネットビジネスを中心に、基本的な経営学、マーケティング、そして中国で何より大切な人脈も構築できる。定期的にハッカソン的なイベント「ビッグサラダ」を各国で行っており、52時間以内にビジネスモデルを作りサービス開始させるという。アフリカ人やイタリア人など様々な国籍の登録者がいる。  今までに成功者を輩出した事例として、FaceUというアプリ(Snowの中国版)や、JINGJINGというAIハードウェア(ドローン)のプロダクトなどがある。
次のページ
資金調達のサポートも
1
2
バナー 日本を壊した安倍政権
新着記事

ハーバービジネスオンライン編集部からのお知らせ

政治・経済

コロナ禍でむしろ沁みる「全員悪人」の祭典。映画『ジェントルメン』の魅力

カルチャー・スポーツ

頻発する「検索汚染」とキーワードによる検索の限界

社会

ロンドン再封鎖16週目。最終回・英国社会は「新たな段階」に。<入江敦彦の『足止め喰らい日記』嫌々乍らReturns>

国際

仮想通貨は“仮想”な存在なのか? 拡大する現実世界への影響

政治・経済

漫画『進撃の巨人』で政治のエッセンスを。 良質なエンターテイメントは「政治離れ」の処方箋

カルチャー・スポーツ

上司の「応援」なんて部下には響かない!? 今すぐ職場に導入するべきモチベーションアップの方法

社会

64bitへのWindowsの流れ。そして、32bit版Windowsの終焉

社会

再び訪れる「就職氷河期」。縁故優遇政権を終わらせるのは今

政治・経済

微表情研究の世界的権威に聞いた、AI表情分析技術の展望

社会

PDFの生みの親、チャールズ・ゲシキ氏死去。その技術と歴史を振り返る

社会

新年度で登場した「どうしてもソリが合わない同僚」と付き合う方法

社会

マンガでわかる「ウイルスの変異」ってなに?

社会

アンソニー・ホプキンスのオスカー受賞は「番狂わせ」なんかじゃない! 映画『ファーザー』のここが凄い

カルチャー・スポーツ

ネットで話題の「陰謀論チャート」を徹底解説&日本語訳してみた

社会

ロンドン再封鎖15週目。肥満やペットに現れ出したニューノーマル社会の歪み<入江敦彦の『足止め喰らい日記』嫌々乍らReturns>

社会

「ケーキの出前」に「高級ブランドのサブスク」も――コロナ禍のなか「進化」する百貨店

政治・経済

「高度外国人材」という言葉に潜む欺瞞と、日本が搾取し依存する圧倒的多数の外国人労働者の実像とは?

社会