正面左右から、会場の左右へ移動する動きができるようになると、今度は、会場の中央の座席の合間に入る込む動きをしたくなるものだ。会場の中央に入りこむ際は、スクリーンやホワイトボードを背にして話すということにはできない。
その場合は、聞き手と対話するということを行うと、対話する相手のみならず、聞き手の相当範囲を引き付けることができる。話し手が聞き手に意見や感想を聞く、聞き手の質問を受けるというな場面で、会場の中央の座席の合間に入るという動作をする。
ここまで演習していると、よくある質問が、スクリーンがある正面とは逆方向の「聞き手から見て後ろのスペースはどのように使用するか」というものだ。私は、よほど、聞き手を大きく動かしたい時(聞き手を目覚めさせたい時)以外は、基本的には後ろのスペースは使わない。
正面左右、会場の左右、会場の中央の座席の合間に動いた場合でも、正面のスクリーンを背にした正面の基本的な立ち位置に一度戻るということをお勧めする。
会場の左に移動し正面に戻る、会場の右に移動し正面に戻る、会場の中央の咲きの合間に動き正面に戻るという具合だ。経験的には、そうすることで、聞き手を落ち着かせて、話し手の話に集中していただく度合がより高まる。是非試していただきたい。
【山口博[連載コラム・分解スキル・反復演習が人生を変える]第58回】
<文/山口博>
【山口 博(やまぐち・ひろし)】グローバルトレーニングトレーナー。モチベーションファクター株式会社代表取締役。国内外企業の人材開発・人事部長歴任後、PwC/KPMGコンサルティング各ディレクターを経て、現職。近著に『
チームを動かすファシリテーションのドリル』(扶桑社、2016年3月)、『
クライアントを惹き付けるモチベーションファクター・トレーニング』(きんざい、2017年8月)がある。