女子高生から見放されたLINEはもう「オワコン」なのか?

連絡ツールとして「原点回帰」したLINE、戯れを楽しむインスタ

 スタンプを使わず、長文メッセージを避け、時には「了解」を「り」で済ませる若者たち。「○月○日~~集合」「了解」だけで十分で、余計な遊びは必要ない。彼らはコミュニケーションを楽しむのではなく、ただ「メッセージの意味内容を正確に伝えること」だけを重視している。そう、LINEはオワコンというより、普及しすぎたからこそ「情報を正しく伝達するコミュニケーションツール」へと「原点回帰」したのではないか。  若者たちは、「原点回帰」したLINEを使いつつ、同時に「コミュニケーションそのものを楽しむ」ためのツールも求めている。それがインスタグラムのストーリー(短い動画)やSNOW、B612などのエフェクトだ。  外野からは意味不明な画像やストーリーを共有し、友人同士のつながりを確かめ合う若者たち。どんどん「標準言語」を離れていくそのやり取りは、まさに「コミュニケーションのためのコミュニケーション」。昔はLINEスタンプがその役割を担っていたが、サービス開始から6年が経ち、状況は変わった。  伝達ツールへと「原点回帰」したLINEと、戯れのコミュニケーションに必要なインスタグラム、SNOW。若者にとっては両方、必要なインフラだ。インスタグラムすら使いこなせない私は、やっぱり女子高生に敵うわけもないのであった。ストーリーのひとつでもUPしてみるかと思ったが、なにしろ面倒なのである。年を取るってこういうことかなぁ。とりあえず安心して下さい。LINEはまだ「オワコン」じゃありませんよ……という感じで本論をシメたいと思います。草々。 <文・北条かや> 【北条かや】石川県出身。同志社大学社会学部卒業、京都大学大学院文学部研究科修士課程修了。自らのキャバクラ勤務経験をもとにした初著書『キャバ嬢の社会学』(星海社新書)で注目される。以後、執筆活動からTOKYO MX『モーニングCROSS』などのメディア出演まで、幅広く活躍。著書は『整形した女は幸せになっているのか』(星海社新書)、『本当は結婚したくないのだ症候群』(青春出版社)、『こじらせ女子の日常』(宝島社)。公式ブログは「コスプレで女やってますけど
1
2
ハッシュタグ
バナー 日本を壊した安倍政権
新着記事

ハーバービジネスオンライン編集部からのお知らせ

政治・経済

コロナ禍でむしろ沁みる「全員悪人」の祭典。映画『ジェントルメン』の魅力

カルチャー・スポーツ

頻発する「検索汚染」とキーワードによる検索の限界

社会

ロンドン再封鎖16週目。最終回・英国社会は「新たな段階」に。<入江敦彦の『足止め喰らい日記』嫌々乍らReturns>

国際

仮想通貨は“仮想”な存在なのか? 拡大する現実世界への影響

政治・経済

漫画『進撃の巨人』で政治のエッセンスを。 良質なエンターテイメントは「政治離れ」の処方箋

カルチャー・スポーツ

上司の「応援」なんて部下には響かない!? 今すぐ職場に導入するべきモチベーションアップの方法

社会

64bitへのWindowsの流れ。そして、32bit版Windowsの終焉

社会

再び訪れる「就職氷河期」。縁故優遇政権を終わらせるのは今

政治・経済

微表情研究の世界的権威に聞いた、AI表情分析技術の展望

社会

PDFの生みの親、チャールズ・ゲシキ氏死去。その技術と歴史を振り返る

社会

新年度で登場した「どうしてもソリが合わない同僚」と付き合う方法

社会

マンガでわかる「ウイルスの変異」ってなに?

社会

アンソニー・ホプキンスのオスカー受賞は「番狂わせ」なんかじゃない! 映画『ファーザー』のここが凄い

カルチャー・スポーツ

ネットで話題の「陰謀論チャート」を徹底解説&日本語訳してみた

社会

ロンドン再封鎖15週目。肥満やペットに現れ出したニューノーマル社会の歪み<入江敦彦の『足止め喰らい日記』嫌々乍らReturns>

社会

「ケーキの出前」に「高級ブランドのサブスク」も――コロナ禍のなか「進化」する百貨店

政治・経済

「高度外国人材」という言葉に潜む欺瞞と、日本が搾取し依存する圧倒的多数の外国人労働者の実像とは?

社会