民旅ホストを始めた主婦が困惑した「企画パクられ」問題とは?
従来型のツアーにはない、手作り感のある体験やアクティビティが人気を集めている「民旅」(みんたび)。日経トレンディの「2017年ヒット予測ベスト30」でも「民旅」が10位にランクインするなど、旅行業界のあり方を一変させるかもしれない注目のサービスだ。
都内で生まれ育った主婦のSさん(40代)も、ゲストとの交流に興味を持ち民旅に注目、ホストとして活動を開始することにしたという。
「自分が生まれ育った街の魅力を、多くの人に知ってもらえたら楽しいのではと思い、まずは民旅のプランニングからはじめました」
Sさんは地元を歩いて周り興味深いスポットを見つけては、候補としてリストアップ。ツアー時間内に回れるような道順や時間配分を意識してコースを設定。土地にまつわる由縁や歴史について、書籍や資料で調べるほか、歴史博物館に出かけたり、区役所の観光課に問い合わせるなどして、独自にコンテンツを作り上げていった。
こうして開始したSさんの民旅は準備の甲斐もあって、ツアーに参加したゲストから好評だったという。
「地元民ならではの案内が、他ではなかなか聞けない内容だったと喜んでもらえました。参加者も良い方々が多く、民旅ホストを続けることに手応えを感じてました」
しかし、Sさんが民旅ホストをはじめて半年後、困った事態が起きた。
「私のツアーと同じ内容のツアーが開催されているのに出くわしたのです」
Sさんのツアーコンテンツがパクられたのだ。本人は「ある程度の模倣は想定の範囲内だった」とも語る。
「私が案内している場所は、もともと観光スポットとして人気のあるエリアでした。そのため『いつか、自分でも外国人観光客に案内してみたい』という参加理由の方もいたので、多少参考にしてもらうのは仕方がないかと考えてました」
Sさんが憤りを感じるのは、パクりの度合いにあるという。
「ツアーを企画してガイドをするのは自由ですが、不愉快なのは、その方のツアーの台詞が一言一句、私と同じだったことです。同じ土地で開催しているツアーですから現地でバッティングすることもあります。そうするとゲストから『向こうにいるガイドさんも、同じこと話していますね』と指摘されるくらいでした」
Sさんのツアー内容は、この地で生まれ育った人ならではの地元目線での案内が売りであり、普通の観光案内にはない独自性があるとのこと。それだけに、あからさまなパクリは一目瞭然なのだという。
では、コンテンツを盗用した人物とは何者なのか。Sさんは民旅サイトから派遣されたボランティアスタッフだったと指摘する。
「私が登録していた民旅サイトでは、ホストのお手伝いを目的としたボランティアを派遣してくれる制度がありました。ボランティアスタッフは、ホストのサポートや、ツアーに参加するゲストのフォロー、ほかにはホストがきちんとツアー運営をしているかチェックする役割もあります」
Sさんによると、過去にボランティアとしてツアーに参加した女性が、見聞きした内容を盗用し、ツアーを独自開催していたとのことだ。
パクった人物は民旅運営サイトが派遣したボランティアスタッフ
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