民旅ホストを始めた主婦が困惑した「企画パクられ」問題とは?

運営会社に抗議したものの、具体的な対応はなし

「有料で参加したゲストであればまだしも、無料でツアーに参加した運営関係者がパクるのは納得がいかない」  そう思ったSさんはすぐに民旅サイトの運営会社に苦情を入れたという。しかし、担当者からは「事実確認が取れない」と、具体的な対応はなかった。現在Sさんは民旅ホストとしての活動を休止している。 「ゲストの方々との素敵な出会いも多かったので、いずれまた再開したい気持ちもあります」  一方で、民旅サイトが徴収する手数料が高いと感じているSさん、どのように民旅を再開させるのかは未定だという。 「私が登録していたサイトではツアー代金の30%、最低金額1200円が手数料と決められていました。私のツアーは気軽に参加してもらいたいことから料金を2000円としていたので、代金の6割が手数料で消えることになります。お金目的で始めたわけではありませんが、さすがに手数料は高いと感じます。運営会社は旅行保険などにコストがかかると説明していましたが、たとえばゲストが任意で保険加入を選べるなど、柔軟な対応もできるはずです」  さらにSさんはこう続ける。 「ただ、民旅ホスト自体は非常にやりがいがあります。けれど、長く続けていけば、模倣に限らずさまざまな問題が出てくると思います。簡単に模倣されない独自性のある内容に磨きをかけることや、複数の集客チャンネルを確保する努力が大切だと今は痛感しています」  Sさんの主張は正しいのか。事実確認をすべく運営会社に対して問い合わせたところ、「コメントは差し控える」との回答だった。  地域の知られざる魅力を再発見できる民旅。活躍する民旅ホストが増加し、コンテンツが充実するのは喜ばしいことだが、その一方でルールの整備など新たな課題もあるようだ。 <取材・文/栗林 篤> 【栗林篤】 元IT企業のサラリーマン。年収300万円以下生活の傍ら、株式投資と不動産投資をはじめて、セミリタイアしてフリーライターに。優待株100超を保有、区分1貸家5アパート1を運用。公式ブログ「節約×株主優待×不動産投資でセミリタイアしたブログ 」更新中。著書『サラリーマンのままで副業1000万円』発売中
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