神保町の新ランドマーク「ドンキ」が僅か半年ほどで閉店!その理由は?

若杉優貴
 書店街・古書街として全国的に有名な「神田神保町」にあのディスカウントストア「ドン・キホーテ」が誕生したのは今年の2月のこと。24時間営業のドンキ出店は多くの書店主や神保町ファンにとって衝撃的なニュースとして捉えられ、賛否両論を巻き起こしたことも記憶に新しいが、その「ドン・キホーテ神保町靖国通り店」が早くも10月13日で閉店してしまうという。

 わずか半年ほどでの閉店。その裏には一体何があったのか。

駿河台下交差点に面するドン・キホーテ神保町靖国通り店

使いづらい店内に加えて「昼型の街」が仇?

ドン・キホーテ神保町靖国通り店(以下、ドンキ神保町店)は今年2月17日に開店。駿河台下交差点の「ヴィクトリアゴルフ神田店」跡(ヴィクトリアゴルフは御茶ノ水店として移転)への出店で、向かいにあった大型書店「書泉ブックマート」跡が靴店「ABC-MART」になったことと合わせ、書店街やスポーツ用品店街として長年親しまれた街の「大きな転換点」として話題となった。ドン・キホーテは建物の1~6階に売り場を擁し(7階はトイレとバックヤード)、売場面積は999㎡で、24時間営業であった。

ドンキ向かいにあった「書泉」の閉店も神保町ファンにとっては衝撃的な出来事だった。
現在は屋上看板を残したまま大手靴店「ABC-MART」となっている

 閉店の理由を探るため、実際にドンキ神保町店へと足を運んでみた。

「ドン・キホーテ」の看板は駿河台下交差点に面する建物の屋上(8~9階レベル)に取り付けられており、まさに地域の新たなランドマークと言えるほど目立つ存在だ。

 いざ店内に入ると、かつてのゴルフ用品店時代の面影は一掃されており「古書の街」に因んだ装飾が多くなされている。階段には「神保町の歴史」コーナーなども設置され、明るく整然とした店内のようすも相まって、従来の「都心のドンキ」のイメージとは一線を画す印象を受ける。

入口の「ドンペン」も本を読む演出。壁面は本棚をイメージしたデザインだ

 しかし、閉店セールが行われる店内を巡っていくうちに、いくつかの「問題点」が浮かび上がった。下層階は多くの客の姿があったものの、(閉店セールで一部売場が閉鎖済みとはいえ)上層階に向かうほど客はまばらだ。実はこのビル、エレベーターはあるもののエスカレーターが全く設置されておらず、上層階へのアプローチが良くない。これでは目的買い以外の客を上層階へと呼び込むことは難しく、売場間の回遊性も良くなかったであろう。

 また、ワンフロアの狭さもその使い勝手の悪さに追い打ちをかける。ワンフロアあたり売場面積は僅か100㎡前後で、これは一般的なコンビニ程度。イートインを併設した近年の郊外コンビニと比較すると狭く感じられるほどだ。かつてのドンキはこうした狭小店舗において「圧縮陳列」を用いることで品数の豊富さを印象づけていたが、「21世紀型」の明るい店内であるドンキ神保町店ではそうした手法はあまり用いられておらず、買い物がしやすい反面、品揃えがいいとは言えない状態である。

 さらに、神保町は夕刻を過ぎれば多くの書店やオフィスから人波が消えてしまう。「深夜営業」をウリにすることでコンビニなどの客層を奪ってきたドン・キホーテにとっては、こうした「昼型の街」を攻略すること自体難しかったことは明白だ。終電間際にもう一度同店を再訪してみると、見事に1~2階以外には客の姿が見当たらなかった。

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今後の神保町店の行く末は?

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