不当解雇で和解金500万円獲得した経験者が語る「労働審判でブラック企業との正しい戦い方」

「とにかく証拠集めが大事」とアドバイス

 自らの労働審判の経験から、未払い残業代の証明には証拠集めが大事だと、長岡氏は指摘する。
不当解雇01

長岡哲也氏。約7年間務めていた企業から突如リストラ、裁判を起こし、企業から500万円の解決金を取得。それを元手に仮想通貨への投資を開始し、半年で資産が10倍に。現在は仮想通貨運用に関するプライベートレッスンも行っている

「私の場合、最初の相談から判決が出るまでに7ヶ月かかっていますが、その大半は証拠集めや打ち合わせといった、準備に費やされています。特に実感したのが証拠の重要性です。元職場ではGmailを業務に使っていたので、自宅でメールログを印刷して証拠とすることが容易でした。1日のメールのやり取りのうち最も早い時間に送ったメールと、最も遅い時間に送ったメールが、労働時間を証明する有力な証拠となりました」  最近は情報保護の観点から解雇と同時にアカウント凍結する会社も多いので、在職中から記録を集めておくことが大切といえる。また、長岡氏はメールのほかに紙のスケジュール帳も有力な証拠になり得ると挙げている。 「出張や打ち合わせなどのスケジュールは、みなさん普段から書き込んでいるかと思います。手帳の内容とメールを突き合わせたり、交通チケットやスイカの記録と組み合わせることで、自分の勤務状況を証明することができます」  最後に不当解雇に直面している人にこんなアドバイスを残してくれた。 「何としても『会社都合による退職』としてください。場合によっては会社側から、『自己都合による退職』を促すような圧力があるかもしれません。しかし、屈しないことです。自己都合だと不当解雇の証明が難しくなります。また、自己都合の退職だと失業手当がもらえるのが3か月後となり、人によってはすぐに困窮してしまいます。あとは、退職後は職業訓練校のビジネス学科に通うのがおすすめです。失業手当をもらいながら次の仕事に役立つスキルを身につけられます。私も受講していましたが、正直、お金を払ってでも学びたい内容ばかりでした」  過酷な労働で完全に心身が壊れてしまう前に、日々の記録をしっかり残しておくと、命綱となり得るようだ。 <取材・文/栗林 篤> 【栗林篤】 元IT企業のサラリーマン。年収300万円以下生活の傍ら、株式投資と不動産投資をはじめて、セミリタイアしてフリーライターに。優待株100超を保有、区分1貸家5アパート1を運用。公式ブログ「節約×株主優待×不動産投資でセミリタイアしたブログ 」更新中。著書『サラリーマンのままで副業1000万円』発売中
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