不当解雇で和解金500万円獲得した経験者が語る「労働審判でブラック企業との正しい戦い方」

無料法律相談で労働問題に強い弁護士に相談

 突然の解雇をキッカケに、会社と争うことを決意した長岡氏。彼がまず向かったのが、東京仕事センター内にある「労働相談情報センター」だった。 「窓口で法テラスの無料法律相談を紹介されて、弁護士に相談することにしました。ひとくちに弁護士といっても、先生ごとに専門分野があるので、労働問題に強い弁護士に相談することがポイントです」(長岡氏)  法テラスの法律相談を無料で利用するには、一定以下の資産や収入である要件が儲けられているが、当時の長岡氏は解雇直後で無職だったこともあり、特に問題なかったという。
不当解雇02

収入要件(※画像は「法テラス」より)

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資産要件(※画像は「法テラス」より)

「アドバイスに従って証拠集めをしながら、弁護士とは3回の打ち合わせを重ねました。そこで勝てる可能性が高いと判断してもらい『労働審判』の準備に入りました」  労働審判とは、裁判官や民間から選任された労働審判官(員)が原則3回以内の期日において調停の成立や審判を下す制度。労働審判は裁判上の和解と同一の効力を有しており、通常の起訴手続が1年程度かかるのに比べて、早期解決を図れるのが特徴となっている。

相手側は無罪を主張するも和解金500万円をゲット

 労働審判当日、会社側の弁護士は「みなし労働にあたるため訴えは無効である」と主張したが、長岡氏が事前に用意した証拠の前では説得力を持たなかったという。その結果、労働審判は1日で結審し、長岡氏の主張は認められ解雇後の給与と未払い残業代として、500万円の支払いが会社側に言い渡された。 「審判後、特に印象的だったのが、裁判官が突然、会社の製品をベタ褒めし出したのです。不思議に思っていたら、『負けた側に花を持たせるのも、裁判官の仕事なんです』と、弁護士が教えてくれました。負けた側が感情的になったり、後に倒産や、自殺といった自暴自棄な行動を取らないよう、心をケアする意図があるみたいです」  と、審判後の様子を長岡氏は振り返る。気になる弁護士への報酬は、和解金の10%にあたる50万円を支払い、「法テラスで依頼したので、とても良心的でした」(長岡氏)とのことだ。
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「とにかく証拠集めが大事」とアドバイス
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