パチンコ店が禁煙化した場合、客の5割が「行かなくなる」、3割が「もっと行く」と回答! 受動喫煙防止条例のジレンマ

ホール内禁煙は新規顧客開拓のチャンスでもある

 パチンコ・パチスロビジネス情報誌の「Amusement Japan web版」が、パチンコ店で遊技する客に行ったアンケートによれば、ホールで煙草が吸えなくなった場合、52.2%の人が遊技回数を減らすと回答しており、19.7%の人はまったく遊ばなくなると回答している。  一方、煙草を吸わない人を見ると、27.3%の人が「遊技回数が増える」とも回答している。  単純に差し引けば、客数の大幅ダウンのように見えるが、そもそも非喫煙者が喫煙者の4倍もいることを考慮すれば、パチンコホールにとって、今回の受動喫煙防止条例が一概に悪いとも言えないという論調もある。  パチンコ店が敬遠される3大理由が、「(煙草)臭い」、「うるさい」、「怖い」である。  ホール内が禁煙になれば、少なくとも「臭い」というネガティブ要素を払拭することが出来る。煙草を吸いながら遊技する既存客が減る一方で、「昔パチンコをやっていたが、煙草をやめてからはパチンコ店には臭くて入れない」というような客層を再びホールに取り込める可能性もあるのだ。  以下は蛇足である。  筆者は喫煙者であるし、パチンコも嗜む程度には遊ぶ。  一度、完全禁煙ホールを取材した際に、試しに長時間の遊技をしてみた。喫煙者である自分が、禁煙ホールでパチンコを打つことが出来るのか。  結果的に、あまり苦痛ではなかった。遊技の途中で、何度か喫煙スペースには足を運んだが、良い気分転換にもなり、遊技台の隣に座る人の副流煙にストレスをためることもなかった。遊技中に席を外し、喫煙スペースで一呼吸入れる行為は、もしかしたらパチンコ依存問題にも有効化も知れないとすら思った。  筆者の体験が、すべての喫煙者の体験を代表するとは思わないが、パチンコホールにおける禁煙措置は、パチンコが新たな娯楽として生まれ変われる最後のチャンスなのかも知れない。 <文・安達 夕 @yuu_adachi
Twitter:@yuu_adachi
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