パチンコ店が禁煙化した場合、客の5割が「行かなくなる」、3割が「もっと行く」と回答! 受動喫煙防止条例のジレンマ

安達夕

受動喫煙防止条例がパチンコ店の客足の増減にかかわるか否かは現段階ではっきりしていない

  東京都の受動喫煙防止条例案が、来週の都議会に提出され、都民ファーストの会、公明党議員らの賛成多数で可決される見込みだ。

 東京都福祉保健局が9月8日に公表した、条例の「基本的な考え方」によれば、受動喫煙による年間死亡者数は推定約1万5千人(厚生労働省報告書による)とされるなか、都民の受動喫煙による健康影響を未然に防止し、都民の健康の確保を図ることを目的としている。

 平成27年度に東京都が実施した「受動喫煙に関する都民の意識調査」によれば、受動喫煙に関して「規制がある方が良い」と答えた人が全体の66.1%に上り、逆に「規制してほしくない」と答えた人は19.3%にとどまった。

 これはJTが2017年に実施した「全国たばこ喫煙者率調査」による喫煙者の割合が18.2%(男性28.2%、女性9.0%)の数値とも一致しており、要は吸わない人は「規制しろ」、吸う人は「規制するな」という当たり前の結果となっている。

 さて、問題の東京都の受動喫煙防止条例案であるが、おおまかな内容は以下の通り。

①医療施設、小学校、中学校、高等学校、児童福祉施設等に関しては敷地内禁煙
②官公庁施設、老人福祉施設、大学、体育館当では屋内禁煙
③飲食店、ホテル・旅館(客室以外)、娯楽施設、事業所、百貨店、空港ビル当は原則屋内禁煙(※喫煙専用室設置可)

 となっている。

 但し、飲食店のうち、面積30㎡以下のバー、スナック等(主に酒類を提供するものに限る)で、従業員を使用していない店、又は従業員が同意した店、かつ未成年が立ち入らない店については喫煙禁止場所にしないとしている。

 ちなみに、この条例には5万円以下の過料の罰則が付いており、2019年夏までには施行されることになる。

東京都のパチンコ店は、ホール内禁煙になればどうなるのか?

 元来、喫煙者が多いパチンコホール。東京都内のパチンコホールの経営者は、条例が施行されれば、経営に大きなダメージが出るではないのかと戦々恐々だ。

 それでなくとも、カジノ法案に関わる、ギャンブル等依存症対策により様々な規制がかけられ、客足のダウンは不可避な状況。そこに受動喫煙防止条例が施行されれば、それこそ泣きっ面に蜂である。

 東京都内のパチンコホールにも駅前立地の小規模店舗から、郊外型の大規模店舗まで様々な営業形態があるが、そのなかでも一番影響を受けやすいのが、駅前型の小規模店舗である。

 東京都内のパチンコホールのほとんどは、このタイプであり、港区や中央区をのぞく23区内であれば、ほとんどすべての駅前にパチンコホールがあると言っても過言ではない。

 まして駅前立地の小規模店舗の主要顧客はサラリーマン層であり、喫煙するサラリーマンが煙草の煙を燻らせながら遊技する光景がどのホールでも見受けられる。今回の受動喫煙防止条例は、仕事終わりのサラリーマン喫煙者をパチンコホールから追放するきっかけになるかも知れない。

 駅前立地のパチンコホールには他にも悩みがある。今回の条例案では、喫煙スペースは設置可能とあるが、駅前小規模店舗にそのようなスペースはない。一部の遊技機を撤去しスペースを確保すれば、その分の売上は確実に下がる。屋外に灰皿を設置してしのごうとしても、駅前はすべからく禁煙区域となっており、そういう訳にもいかない。

 「今でさえギリギリの営業。これでホール内禁煙なんてことになれば、喫煙スペースを設置するよりも、店をカラオケ店やドラッグストアに貸した方がまし」

 駅前でパチンコホールを経営するパチンコ店オーナーたちの眉間の皺は深い。

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ホール内禁煙は新規顧客開拓のチャンスでもある

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