国民投票迫るカタルーニャ独立問題。「政治家のエゴ」で犠牲にされる州民の将来

 ラホイ首相がカタルーニャ問題について積極的に取り組む姿勢が欠けていたことのつけが今大きくスペイン政府にも伸し掛かっている。しかし、ラホイ政権には問題解決の為の策はなく独立支持派との対立が深まるばかりである。9月13日には住民投票に使う投票箱と投票用紙を探し出す為の捜査を行うように検察がカタルーニャ自治警察にも指示した。また、投票日には投票箱の投票書からの撤去も命じた。  マサ検事総長はカタルーニャ州の投票の為の場所を提供することを承諾している712の自治体の首長に対し事情徴収の為の出頭を命じた。それを拒否する首長に対しては逮捕するとした。(参照:「El Confidencial」)  スペイン政府はカタルーニャの自治制度を中断できる憲法155条を仄めかすようにもなっている。  それに対してカタルーニャ州政府はカタルーニャ州議会で可決した住民投票の正当性を今も主張し続け、住民に投票するように促している。しかも、独立すれば州民が厳しい経済状況に置かれることなど一切お構いナシにである。  今回のカタルーニャ独立問題は政治家のエゴのつけを最終的に背負うことになるのは住民であるということを示した良い具体例である。 <文/白石和幸 photo /European People’s Party via flickr (CC BY 2.0)> しらいしかずゆき●スペイン在住の貿易コンサルタント。1973年にスペイン・バレンシアに留学以来、長くスペインで会社経営する生活。バレンシアには領事館がないため、緊急時などはバルセロナの日本総領事館の代理業務もこなす。
しらいしかずゆき●スペイン在住の貿易コンサルタント。1973年にスペイン・バレンシアに留学以来、長くスペインで会社経営から現在は貿易コンサルタントに転身
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