国民投票迫るカタルーニャ独立問題。「政治家のエゴ」で犠牲にされる州民の将来

 また、カタルーニャが独立すればEUから撤退を余儀なくさせられ、ユーロ通貨も使用できなくなる。その上、EUからのカタルーニャの産業奨励に付与して来た支援金も受けられなくなる。例えば、2007-2013年にカタルーニャ州だけで14億ユーロ(1820億円)の支援金を受けていた。  カタルーニャ州の財政事情は非常に悪く、州への納品業者の支払いは納品から半年以上経過しての支払いになっているという。また、カタルーニャ企業の他の地方との取引は全取引の40%を占めるというが、カタルーニャが独立すれば、カタルーニャ企業の製品を排斥する運動がスペインの他の地方で必ず起きることからカタルーニャ企業の売上は後退する。(参照:「Cinco Dias」)  カタルーニャが独立すれば以上のような状況下に置かれることになるのは必至である。その結果に一番苦しむのは企業そして最終的には州民である。

独立⇒孤立へと向かう!?

 9月13日にはスペイン紙『El Mundo』が在スペイン米国商工会議所のハイメ・マレッ所長にインタビューした記事を報じた。その中で同氏はカタルーニャが独立するような事態になれば、<「あらゆる違法的な状態から解放されるために、(米国企業で)カタルーニャにある(登記上の)本社を他の場所に移したいとしている多くの企業を私は知っている」>と答えた。<「突如起きるその様な事態へのプランとして24時間以内に赤いボタンを押して移転が出来るような体制になっている」>とも語った。特に、その移転の決定をする一つの要因としているのが、カタルーニャ政府が設立しようとしている<「カタルーニャ自治州税務署が税金を徴収しようとすれば、それはレッドラインに侵入したことになり、米国企業はそれを支払うことは拒否する時だ」>と述べて、それがカタルーニャから撤退する一つの目安だとしている。(参照:「El Mundo」)  同様にカタルーニャで誕生したサバディル銀行のグアルディオラ副頭取も住民投票で独立支持派が勝利して独立するという事態になれば、<「最後は、本社を移すことになる」>と述べた。これはあくまで登記上においての本社移転で社員を移動させることではないとしている。しかし、本社を移転させれば、法人税を納めるところもカタルーニャ以外の州になるから、カタルーニャの税収にはならなくなる。(参照:「El Confidencial」、「ABC」)  カタルーニャの独立支持派が気づいていないことは、カタルーニャへの外国からの投資はあくまでカタルーニャがスペインの一部であり、EUそしてユーロ圏にあるからであるということを忘れているようである。独立してEUに属さず、ユーロも使えないカタルーニャでは投資家にとって魅力はなくなるのだ。
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政治家のエゴが住民を追い込む
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