今回の規則改正に関わる「みなし機」問題は、実はもう一つの「爆弾」を抱えている。
ジャグラー系パチスロ機とならんで、現在パチンコホールの収益の柱と言われている、AT系パチスロ機の「みなし機」問題である。
AT系パチスロ機の中でも特に人気のある「バジリスク絆」や「GODハーデス」は既に検定期間を満了しており、現在設置されているものの多くは認定を受けているのだ。
しかし一部のパチンコ店のなかには、検定期間終了時に認定を受けておらず、そのまま「みなし機」として設置している店舗もある。
規則が改正される平成30年2月1日以降、この「バジリスク絆」や「GODハーデス」に代表されるAT系パチスロ機は、認定期間満了日までは設置が可能となっているが、任的機関終了と同時に撤去を余儀なくされる。一方、認定を受けずに設置されている同機種は、「みなし機」であるため、2月1日を境に撤去しなくてはならない。
認定申請に掛かる費用をケチって「みなし機」として設置することを選択した店舗側の、身から出た錆ではあるものの、やはり中小規模のホールにとって、競合店には(経過措置として)設置が許可されているAT系パチスロ機を、自店のみ早々と撤去をせざる得なくなるということは、ホール営業にとって大きな痛手だ。
仮に警察庁が「みなし機」の設置猶予期間を設けるとすれば、このAT系の「隠れみなし機」の設置も許可してしまう事となり、その場合は、射幸性の抑制を標榜する警察庁の意向とは違うものになってしまう。ジャグラー系パチスロ機とAT系パチスロ機の「みなし機」問題。所管する警察庁はどのような判断を下すのか。
その判断次第で、ホールの営業方針は大きく左右される。
<文・安達 夕
@yuu_adachi>