ホールに6年以上設置されている遊技機、通称「みなし機」とは
前述のルールに沿うのであれば、パチンコ・パチスロ遊技機は、最大6年間は公安委員会の許可のもと使用可能となる。しかし街中のパチンコ店には、6年以上設置されている、もしくは6年以上前に新台でお目見えした遊技機が設置されている場合がある。
これを「みなし機」という。検定期間3年、認定期間3年の計6年を過ぎても、その遊技機をホールに設置することは法的に許されている。但し遊技機の移動(店舗間移動)に条件があったり、故障の際にメーカーからの部品供給がなされなかったりの制限はつくものの、その遊技機が規則に定められた性能の範囲内であれば設置はOKなのだ。
しかし今回の規則改正によって、この「みなし機」の問題が急浮上している。
「みなし機」の設置はあくまで遊技機規則を違えないことであり、根本の規則が変われば、設置していた時点で「遊技機規則違反」となる。よって今回、規則が変わる平成30年2月1日以降、「みなし機」は無条件撤去しなければいけないというのがルールとなる。
この「みなし機」問題の主役は、パチスロAタイプ機の「ジャグラーシリーズ」だ。遊技客からも人気があり、日本中のほとんどのホールに設置されているジャグラーシリーズのパチスロ機の中には、その人気から、6年以上設置している「みなし機」が多数存在しているのだ。
この「みなし機ジャグラー」の撤去は、特に中小ホールにとっては死活問題となる。
第一に、安定的な稼働により利益確保しやすいジャグラー系パチスロ機の撤去は、ホールの業績に大きなダメージを与える。
ならば、最近発売された「ジャグラー系パチスロ機」を導入すれば良いのではと思う人もいるかも知れないが、ジャグラー系パチスロ機の中古機価格は非常に高値であり、下手をすれば新台価格(35万円程度)の2倍~3倍(100万円程度)の価格になる場合もある。ジャグラー系パチスロ機は、どのパチンコホールにも設置しているので営業競争も激しく、多くの場合は薄利での営業となっている。薄利営業前提で台当たり70万円~100万円の投資は難しい。
そこで、全国のパチンコホールで構成される全日本遊技事業協同組合連合会(以下、全日遊連)は警察庁に、この「みなし機」の撤去に関して一定期間の猶予を求めている。今回の規則改正の趣旨はあくまで射幸性の抑制であり、比較的射幸性に緩いジャグラー系パチスロよりも他の遊技機の入替えを優先させたいという全日遊連の要望は、中小ホールの声を代弁している。
警察庁も、この「みなし機」の問題については、十分に認知しており、今後どのように舵を取るのか注目だ。