さすがに、今回実際に起きたテロを前にして、アダコラウ市長もこの過ちを反省しているようだ。
市役所は先ずラス・ランブラス通りには障害物を設置することを決めた。また、アンドゥレウ判事のもとに8月23日にテロ対策に関係した治安機動隊、国家警察、カタルーニャ自治警察のそれぞれ代表が集まって会合を開き、各組織の担当分割を明確にしたという。この会合で今後のカタルーニャ州でのテロに関係した全ての物件は自治警察が担当するとし、それ以外の地方は治安機動隊と国家警察が担当することになった。(参照:「
El Confidencial」)
これまでは、国家警察と自治警察の業務が重複している部分が多く、カタルーニャ州ではこの二つの警察組織の対立が顕著になっていたという問題があった。
この3つの警察組織の協力が必要なのは今後もイスラム国からのテロの脅威は続くと見ているからである。
その一方、今回のテロの被害を受けたスペインでは「テロは怖くない」というスローガンを掲げて先日もバルセロナでフェリペ国王やラホイ首相も参加しての集会が開かれた。問題は「テロは怖くない」というスローガンが今回の動画に写ったムハンマド・ヤシン・アラム・ペレスの顔をネット上で操作してユーモアを交えた表現にしていることがネット上で流布されていることである。
必要以上に萎縮するのは、テロに屈することになる。しかし、テロとの戦いはまだ続いているのである。このようなジョークにすることに、市民はもっと慎重になるべきだという声も挙がっている。
<文/白石和幸>