苦労して獲得したIPO銘柄の公募割れを回避するテクニック

IPO株の公募割れは全体の2割弱

 IPO投資では、苦労して当選した銘柄の初値が公募価格を下回る公募割れに直面することもある。昨年、上場した83銘柄のうち公募割れしたのは15銘柄あった。割合は約18%と高くはないが、不人気銘柄ほど当たりやすいので、公募割れを回避するために事前の下調べが大事だ。  IPOおじさん氏が運営する「IPO初値予想.net」では、IPO銘柄の初値予想を読者によるコメント投票形式で掲載している。例えば、4月25日に上場したアセンテックの場合、公募価格2000円に対し、初値は5950円で3倍近くになったが、「IPO初値予想.net」では、11個の予想のうち2倍以上の予想が6個、3倍以上の予想が3個となっていた。
IPO初値予想

「IPO初値予想.net」では初値予想をコメント投票形式で掲載しており非常に参考となる

 また、3月30日に上場したスシローグローバルホールディングスは公募価格3600円に対し、初値は3430円で公募割れをしたが、「IPO初値予想.net」では、21個の予想のうち、アセンテックでは見られなかった公募割れの予想が4つもあった。  IPOおじさん氏によれば、「あくまで読者投票なので、抽選に当選した人が初値を煽るために高い予想を投稿するケースもあると思いますが、高騰するIPO銘柄の予想はだいたい当たっている印象です」と語る。

公募割れ銘柄を回避する3つのポイント

 では、公募割れ銘柄を見極めるには、どうしたらよいだろうか。IPOおじさん氏によれば、公募割れ銘柄を引かないためには以下の3つのポイントを知っておきたいという。 ・吸収金額(企業が新規に株式を公開した際に市場から調達した資金額のこと)が大きく公募割れリスクが高そうな銘柄を避ける。 ・「マザーズ銘柄」「小型株(吸収金額10億以下)」「ネット関連事業を行っている会社」といった人気化要素がある銘柄に申し込む。 ・想定価格に対し仮条件の設定が弱い銘柄はなるべく避ける。  3つ目は解説が必要だろう。想定価格とは、主幹事の証券会社が上場承認された会社について類似会社との比較等を実施して提示した価格を基礎として決定する見込価格のこと。仮条件とは機関投資家のヒアリング結果を元に証券会社が企業と協議し、決定する公募価格の範囲のこと。例えば、’16年3月に上場したユー・エム・シーエレクトロニクスは、初値騰落率はマイナス17.8%だったが、仮条件は想定価格3400円を下回る3000円~3100円だった。  なお、公募価格が仮条件の下限で決まる銘柄も過去のデータから公募割れになりやすいことがわかっているので、当選しても購入の申し込みをしないほうが無難だろう。初値予想に関してはブログランキングで上位につけているような人気サイトをいくつも回ると、それなりの相場観がわかるようになるが、できれば自分でも公募割れ銘柄を見分けるようになっておきたい。 <まとめ>  長い目で見ると、IPO投資は低リスクで稼げるが、初値が公募価格を下回る「公募割れ」を引くこともある。年によって傾向が異なるが、リーマン・ショックのあった’08年は約6割が公募割れだった。公募割れを回避するには  ・市場からの調達金額が小さいと公募割れしにくい  ・マザーズ上場、IT関連企業は初値が高い  ・想定価格に対し仮条件の設定が弱い銘柄はなるべく避ける  というポイントがある。 【IPOおじさん氏】 ブログ「IPO初値予想.net」(http://kabuzuki.com/)を運営。その名の通り、公募割れ銘柄を回避するために知っておきたい初値予想を中心に新規公開株に関する情報を随時掲載。クチコミや評判がいい株情報サイトが推奨する銘柄の検証も行う ― 下半期のIPOを確実に獲りにいく方法 ―
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