一か月前のアポはあってないようなもの。中東の起業大国イスラエルの常識とは

対日本人と同じコミュニケーションでは通用しない

2.私の会社は世界一  「俺の会社は世界一だ」。  イスラエルとビジネスしたことがある人であれば、必ず、出くわすのが、この言葉であろうか。ただ、彼らは大風呂敷を広げて言うが、決して嘘ではない。この嘘ではないというのが、ポイントである。ある分野のものすごくニッチな領域であったりすると、本当にその技術を持っている会社は世界に片手以下しかなく、確かに世界一ということもある。  重要なのは、やはり、その世界一といっている彼らの技術が、「本当にすごいものかどうか」を見極める目を、こちらが持っているかが重要になる。専門外や全く知識がない会社であると判断不能であるので、その技術の目利きができる必要がある。  これも、単純に世界一だからと言って、どこがどう世界一なのかわかる目を持っているのが理想であろう。 3.言葉の定義の確認。    言葉の定義の確認。これもイスラエルに限った問題ではないかもしれない。お互い話をして、何をどうしていくかという段階、成果物をどうするか、その権利をどうするか。実際に交渉して、話を進めていくと、思うように前に進まなくなることも多く結構辛抱強さが求められることも多くなるかもしれない。  そんな時に大事にしたいのが、コミュニケーションの相性である。アポを取り、ミーティングをして、帰国後にメールのやり取りをしていると一緒にできそうな会社かわかってくる。そんな時、的確に具体的にコミュニケーションを取れることは、重要なポイントの1つである。こちらの問題を的確に伝えれば、(彼らのオポチュニティーになれば、もちろん一緒にその解決策を考えてくれる)イスラエル人もいる。  日本人同士の「暗黙の了解」に慣れていると海外、特にイスラエルとのビジネスではつまづくことも多いので注意が必要だ。 【加藤 清司】 株式会社イスラテック代表取締役。1980年静岡県浜松市生まれ。2006年、「ある技術」に注目しそのルーツを調べ、イスラエルへと旅立ち2か月過ごす。現在、日本を代表するテクノロジー企業を対象に、イスラエルのスタートアップとのアライアンスを支援。2017年1月、『スタートアップ大国イスラエルの秘密』を出版
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