それでは、まず分析の結果をグラフで見てみましょう。(※資料参照)
⇒【資料】はコチラ https://hbol.jp/?attachment_id=147632
これは「実際に髪はどれだけ増えるの?」という数値を示しています。具体的な内訳は以下のとおりです。
・ロゲイン5%を1日2回で、頭皮1cm四方あたり14.94本の増毛が見込める
・ロゲイン2%を1日2回で、頭皮1cm四方あたり8.11本の増毛が見込める
・プロペシア1mgを1日1回で、頭皮1cm四方あたり18.37本の増毛が見込める
・低出力レーザーは、頭皮1cm四方あたり17.66本の増毛が見込める
シンプルに増毛の実力をくらべると、フィナステリドが1位で、その後に低出力レーザーが続きます。男性型脱毛症にお悩みの場合は、まずはフィナステリドが第1候補になるでしょう。
その際に、押さえておきたいポイントは2つです。
1・プロペシアは男性型脱毛症(AGA)にしか効かない
2・ロゲインと低出力レーザー治療は他の脱毛にも効く
つまり、フィナステリドは男性ホルモン(DHT)の増加による薄毛にしか効かず、栄養やカロリー不足などで起きる脱毛には意味がありません。
いっぽうで、ミノキシジルと低出力レーザーは頭皮の血流に作用するため、不健康な生活が原因で起きる脱毛にも作用するわけです。まあ、その場合は、まずちゃんとバランスが良い食事をするのが先でしょうが(特に亜鉛やB12不足がありがち)。
もっとも、低出力レーザーについては、まだ治療を行うクリニックが少ないのと値段が高額なこともあり、現時点ではフィナステリドとミノキシジルの併用が最適解になります。ミノキシジルは「ロゲイン」、フィナステリドは「プロペシア」が有名ですね。
ただし、上記の論文によれば、わざわざ高い商品を買わなくても、ジェネリックで十分に発毛が見られたとのこと。最近では、ミノキシジルならカークランド社が5%の安価な商品を出していますし、フィナステリドも「フィナロイド(FinaLloyd)1mg」が手頃な価格で手に入ります。ネットの個人輸入サイトなどを当たるか、AGA専門のクリニックで相談してみてください。
また、今回のメタ分析には掲載されていませんが、ここ数年は「デュタステリド」という新薬もメジャーです。これはフィナステリドと同じ薬理作用を持った強化バージョンで、すでに多くのRCTで高い効果が示されています(3)。近ごろは取り扱うクリニックも増えており、試してみる価値は十分にあります。
いずれにせよ、ここに名前が出ていない手法は、金を出してもムダになる可能性が大。くれぐれもご注意を。
(参考)
1.株式会社アデランス「世界の成人男性薄毛率」調査結果(2004)
2.Adil A, et al. “The effectiveness of treatments for androgenetic alopecia: A systematic review and meta-analysis.”(2017)
3.Jerry Shapiro“Hair Loss and Restoration, Second Edition”(2015)
<文/Yu Suzuki>
【Yu Suzuki】
月間100万PVのアンチエイジングブログ
「パレオな男」管理人。「120歳まで生きること」を目標に、日々健康維持に励んでいる。アンチエイジング、トレーニング、メンタルなど多岐にわたり高度な知見を発信している。NASM公認パーソナルトレーナー。あまりに不摂生な暮らしのせいで体を壊し、一念発起で13キロのダイエットに成功。その勢いでアンチエイジングにのめり込む。11月11日、初の著書『
一生リバウンドしないパレオダイエットの教科書』(扶桑社)が発売。