パワハラ相談窓口を設置している企業はまだ少ない。人生が壊される前にとるべき対策とは

 去る6月、豊田真由子衆議院議員が秘書に「このハゲーーっ!」などの暴言を浴びせる音声が暴露され、この一件により改めてパワハラ問題が注目されている。

「実はパワハラの相談件数は、年々増えています」と語るのは、産業医の武神健之氏。厚労省が発表した『個別労働紛争解決制度の運用状況』によると、平成27年度のパワハラ相談被害件数は6万6566件で、平成17年度の調査から増加の一途を辿っている。

 パワハラは直接的な被害者だけでなく、現場を目撃した周囲の人間も、被害者になりうる。

「厳しい叱責や恫喝を目のあたりにした周囲の人間も、一種のトラウマのようなものが植え付けられます。これを間接被害と言います」

 間接被害によって、出勤できなくなるなどの実害が出ることもあるが、それすら知らない企業もいまだ多い。また、パワハラが蔓延する原因には、日本企業の悪しき体質も関係していると武神氏は分析する。

「上層部がパワハラに無関心である場合も多く、そうした職場ではいくら被害を訴えても動かない。その結果、従業員は『訴えたところで何も変わらない』という思考になり、問題が起きても見ないふりをするようになるのです。これを『学習性無力感』と言います」

 2015年、電通の女性社員が過労自殺した事件でも、これが関係している可能性が高いという。

「長時間の残業が自殺の原因と報道されていますが、それ自体が学習性無力感によるものだと思います。“若手はしごかれて当たり前”という考えが根付く職場で働く以上、それを受け入れるほかなく、結果として限界以上まで自分を追い詰めてしまったのでは」

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