微表情を顧客アンケートに活用すれば、商品モニターの精度は格段に上がる

商品モニターの愛想笑いを検知することで本音を知ることができる!?

 こんにちは。微表情研究者の清水建二です。

 商品やサービスを購入した後、アンケート調査に協力をお願いされることがあると思います。アンケートに協力されている方の様子を観ていると、大抵、「大変満足」か「満足」にパパっとチェックを入れられ、記述式の空欄には何も書きません。

 この理由は明白でしょう。

 よほどその商品やサービスに満足あるいは不満を抱えていない限り、アンケートに答えるモチベーションが起こらず、めんどうだからです。とは言え、アンケートに無下に断るのも悪いから愛想で答える…その結果、チェックだけ出来る項目に「満足」をし、記述式には答えない、という妥協になるのだと思われます。

 これではアンケートは一種の儀式と化してしまい、マーケティングをする上で有効ではありません。

 お客さんの商品に対する想いをマーケティングで活用可能な形として計測するにはどうしたらよいのでしょか? 表情分析を用いたアンケート調査の研究から、次世代のアンケート調査の方法を考えたいと思います。

表情分析の調査からわかる顧客不満足度

 アメリカ中西部に住む119人の女性(=実験参加者)を対象に美容品・衛生用品・家事用品・健康用品への態度が調査されました。それぞれの商品を使っているときの実験参加者の表情の種類と強さが表情分析の専門家によって分析されました。計測対象の表情は、怒り・軽蔑・嫌悪・恐怖・幸福・悲しみ・驚き・愛想笑いの8つでした。

 調査の結果、わかったことは次の通りです(全体の詳細な結果は、参考文献を参照して下さい)。

 ①嫌悪、愛想笑い、怒り、軽蔑が最も多い頻度で生じ、幸福が最も少ない頻度で生じた。

 ②計測されたほとんど全ての表情が微表情含む部分的な表情であった。

 ③計測された愛想笑いの1/5では、悲しみ、怒り、恐怖が各々、同時に生じた。

 ということです。みなさんはこの調査結果を見て、何を考えますでしょうか?

 先の調査結果をまとめると、ネガティブな表情が大部分を占め、かつそれらの表情は微表情あるいは部分的な表情として表出され、愛想笑いが生じるときはネガティブな表情が隠されていることがある、と言ったところです。

 実験参加者が日本人ではないので単純に敷衍することは出来ませんが、この調査結果から考えられることは、一つに、美容品・衛生用品・家事用品・健康用品を対象にした場合、これまでの紙やwebを使ったアンケート結果が、「不満」以下の項目が多く計上されていなかったとしたら、ホンネが反映されていない可能性があるということです。

 次に、ホンネの表情は隠される、ということです。部分的な表情や微表情が計測されたということは、感情反応が弱い、あるいは本当の感情が表情に出ないように抑制された結果です。また愛想笑い+ネガティブ表情が計測されたということは、ネガティブな本当の気持ちがウソの幸福表情で隠された可能性が考えられます。

 最後に、満足や楽しさを最大化させる目的を持つ消費者調査の常識に警鐘をならしてくれます。消費される商品やサービスによってその消費経験というものは、心地よさを最大化し幸福を得ようとすることよりも、不快感を最小化することから満足を得ようとしている可能性があるということです。

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次世代アンケート調査を考えよう

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