飯村氏と藤井氏がそろって注目銘柄として挙げているのが、成功報酬型の求人サイト「Green」を運営するアトラエ(6194)だ。
「新規事業として組織改善プラットフォームやビジネスパーソン向けのマッチングアプリをリリースしており、働き方改革関連として大注目の銘柄です。業績も絶好調で、株価は上場来高値を更新中ですが、まだまだ上値を狙えます」(飯村氏)
また、企業の需要が拡大する「SNS炎上」の検知と対策コンサルティングで成長中のエルテス(3967)も、複数の国策テーマをカバーする超有望銘柄だ。従業員のPCログデータを収集し、内部者による情報漏洩の予兆を察知するサービスも展開している。
「さらに同社は、不正送金などの金融犯罪、テロの検知システムを新規事業として展開しており、テロ検知では伊勢志摩サミットでの導入実績もある。東京五輪に向けて高まるテロ・産業スパイなどの社会的リスクから国や企業を守るという意味で同社の存在意義は極めて高く、長期的なテーマ持続が期待できます」(飯村氏)
ビットコインの急騰などで盛り上がりを見せる仮想通貨関連で注目したいのが、ソフト開発会社のインフォテリア(3853)だ。ブロックチェーン推進協会が社会実験を実施している日本円連動の仮想通貨「Zen」の運用を担当している。
「フィンテック関連のど真ん中。仮想通貨は今後淘汰されていくでしょうが、Zenは生き残る可能性が高いとみます」(藤井氏)
このほか、「未来投資戦略2017」で第一の戦略として記された「健康寿命の延伸」に関連する銘柄として、医療ビッグデータの大本命である日本システム技術(4323)、介護・医療・子育て分野でクラウド型情報共有プラットフォームを提供するカナミックネットワーク(3939)などにも注目しておきたい。
これらの国策銘柄の多くは新興小型株だ。上昇時の値動きは軽く大化けが期待できる半面、下落に転じたときのダメージも非常に大きくなりがちなので注意したい。投資タイミングについて、藤井氏はこうアドバイスする。
「ヘタに押し目を狙うと急落に巻き込まれる恐れがあるので、上昇トレンドにある銘柄に乗るのが鉄則。中長期での投資であれば、株価が13週移動平均線の上にあるときに投資し、下回ってきたらすぐに撤退しましょう。3倍株を実現するには、利確はあまり意識せず、グリップを強めに握った“鈍感力”を発揮することが重要です」
株価が底値圏で推移して出来高が少ない場合は、相場を刺激しそうなニュースやIRが出るのを待って投資するのがよさそうだ。
当連載でも数々の「資産倍増」銘柄を紹介してきた国策テーマ投資。残念ながら乗りそこねているという読者諸兄に、飯村氏はこうアドバイスする。
「株式市場で買われる銘柄は循環しているので、チャンスは常に流動的です。普段から有望銘柄をウオッチしておくことが大切」
今度こそ、ビッグウェーブをモノにしよう。