ゲイを公表している弁護士の芝亮さんはニューヨーク在住7年目となる
6月25日、ニューヨークで毎年恒例のプライド・パレードが開催された。
ニューヨークのプライド・パレード、いわゆるゲイ・パレードは、1年で最も盛り上がるイベントの1つで、セクシャルマイノリティはもちろん、そうでない人もレインボーカラーの旗や服を身にまとい、パレードで行進する人達を見届ける。
今年のテーマは、「We are proud(私たちは誇らしい)」。
不穏な政治情勢が続く中でもポジティブに立ち向かう彼らを象徴する言葉だ。3キロ余りのコースには、80もの山車(だし)を引っ提げた4万人の参加者が、それぞれの思いを胸に沿道へ手を振っていた。この日の独特な自由感を楽しむカップルの姿は、パレードのコースである5番街エリアからグリニッジビレッジまでだけでなく、ニューヨーク市内の至る所で多く見受けられ、一様に皆朗らかな様子だった。
セクシャルマイノリティとは、同性愛者(レズビアン・ゲイ)、バイセクシャル、トランスジェンダーなどの性的少数者のことを指す。それぞれの頭文字をとったLGBTという言葉は、日本でもここ数年で大分知られるようになってきた。
ニューヨークで弁護士として活躍している日本人、芝亮さん(29)も、LGBTの1人だ。早稲田大学法学部卒業後、フォーダム大学ロースクール修士課程修了。その後弁護士となり、ニューヨークでの生活は今年で7年目になる。
日本在住時から自らがゲイであることを隠すことなく、オープンに生きてきた彼に話を聞いた。
――セクシャルマイノリティという立場をどう受け止め、オープンにしてきたのでしょうか。
「自分がゲイだということは、日本にいる時から血液型や星座と同じくらいなものとして捉えてきました。もちろん血液型の要素よりは足かせになることはありましたが、恐らくそれはまだ日本にLGBTに対する情報が足りておらず、誤解や偏見が停滞してしまっているからだと思います。
自分がLGBTであることを自然なことだと受け止められていれば、カミングアウトは家族や周囲にはあえてする必要がないはず。自分がストレート(異性愛者)だったら、わざわざカミングアウトしないですよね。LGBTでもそうあるべき。だから、私たちがさも悪いことをしているかのように、『今日話したいことがあるんだ』、『実は僕ゲイなんです、受け入れてください』というようなカミングアウトはしたくなかった。」