SoutaBank/PIXTA(ピクスタ)
40代、50代の働き盛りの人が、自分または配偶者の親の介護のために、これまで続けてきた仕事を辞めるケースがみられます。これは、本人にとっても社会にとっても、大きな損失になりかねません。企業によっては、介護休暇など制度が充実しているところもありますが、対策はまだまだ不十分です。自分が置かれている状態を確認しつつ、介護が必要になったときの対応を準備しましょう。
どのような立場の人が介護に直面したときに、介護のリスクが高くなり、場合によっては離職にまで追い込まれることが多いかを考えてみます。
介護離職のリスクが高い人は、(1)すでに家族に要介護者を抱えている、(2)重い認知症など介護度の高い家族がいる、(3)本人が家族の介護の主たる担い手になっている、(4)兄弟姉妹や身近な親族が近くに住んでいない、(5)勤務時間が長時間あるいは不規則である、(6)転勤などを含め異動の多い職場に勤務している、などの条件です。
こうした条件を複数抱えている人ほど、介護に関しては非常な困難な環境にあり、いつ離職の危機を迎えてもおかしくありません。こうした条件を少なくすることが出来ればいいのですが、要介護者が出た場合の準備はしておく必要があります。
では反対に、介護リスクが少ない人の条件は、どうでしょうか。リスクの高い人の反対になれば、それだけ介護リスクは少なくなります。
具体的には、(1)要介護者の配偶者が健在である、(2)自分の配偶者も健在である、(3)近くに支援してもらえる親族が複数いる、(4)本人の年収が高く介護費用が負担できる、(5)在宅勤務・フレックスタイムが利用できる、といった条件です。
こうした要素が多ければ、いざ介護というときでも負担をかなり分散化でき、介護離職に追い込まれることは少ないと思います。介護リスクが少ない人であっても、介護は「終わりが見えない」といわれるため、長期的な準備と計画が必要になります。そのための準備はしておきましょう。