奨励会員はアルバイト禁止! 26歳まで無職ニートを覚悟しないとプロ棋士にはなれない

それでも将棋は優しく、与えるばかりで何も奪わない

 石田直裕の師匠・所司和晴一門は名門である。弟子は渡辺明竜王のほかにも、松尾歩八段や宮田敦史六段もいる。だがそんな所司一門でさえ、石田まで11年間四段がいなかった。  しかし、そんな所司一門に不思議な現象がおきた。石田四段誕生ののち、石井健太郎・近藤誠也・大橋貴洸と立て続けに弟弟子から四段が誕生したのだ。  一度、筆者は石田に失礼極まりないことを言ったことがある。 「石田サリエリとしては、何なんだあの渡辺モーツァルトは、と思うことあるんじゃない?」  言うまでもなく映画「アマデウス」にひっかけた話だが、取りようによってはお前は凡人だ、絶対モーツァルト・天才にはなれないと言っているに等しい。だが彼は怒らなかった。 「そんなのいつものことですよ。竜王には絶対追いつけませんから」  本人たちに聞いたことはないが、弟弟子たちにとって恐らく渡辺明は遠すぎて参考にならなかった。だが石田直裕が四段になるのを見て、これなら手が届く、と思ったのではないか。つまり、奨励会に11年在籍してプロになった石田直裕は凡人の星なのだ。  もし、子供をプロ棋士にしたいのであれば、子供を10年以上「妖怪人間ベム」にして、26歳中卒無職、あるいは大卒後ニートの可能性があることは十分に覚悟しておいてほしい。  そして本来、詰将棋を解くべき時間に間違ってこの記事を開いてしまった奨励会員の君へ。  石田先生は四段になった年に大好きなファイターズが優勝し、東京から札幌まではしごして日本シリーズを堪能できました。そして現夫人と付き合い始め、勝率があがり、加古川青流戦で優勝して一緒に暮らし始めました。勝利の女神は確かに存在します。  大崎善生先生が仰る通り、将棋とは優しく、与えるばかりで何も奪うことはありません。だから、それまでは耐え抜いてください。 <文・タカ大丸> 【タカ大丸】  ジャーナリスト、TVリポーター、英語同時通訳・スペイン語通訳者。ニューヨーク州立大学ポツダム校とテル・アヴィヴ大学で政治学を専攻。’10年10月のチリ鉱山落盤事故作業員救出の際にはスペイン語通訳として民放各局から依頼が殺到。2015年3月発売の『ジョコビッチの生まれ変わる食事』(三五館)は12万部を突破。最新の訳書に「ナダル・ノート すべては訓練次第」(東邦出版)。 雑誌「月刊VOICE」「プレジデント」などで執筆するほか、テレビ朝日「たけしのTVタックル」「たけしの超常現象Xファイル」TBS「水曜日のダウンタウン」などテレビ出演も多数。公式サイト
 ジャーナリスト、TVリポーター、英語同時通訳・スペイン語通訳者。ニューヨーク州立大学ポツダム校とテル・アヴィヴ大学で政治学を専攻。’10年10月のチリ鉱山落盤事故作業員救出の際にはスペイン語通訳として民放各局から依頼が殺到。2015年3月発売の『ジョコビッチの生まれ変わる食事』は15万部を突破し、現在新装版が発売。最新の訳書に「ナダル・ノート すべては訓練次第」(東邦出版)。10月に初の単著『貧困脱出マニュアル』(飛鳥新社)を上梓。 雑誌「月刊VOICE」「プレジデント」などで執筆するほか、テレビ朝日「たけしのTVタックル」「たけしの超常現象Xファイル」TBS「水曜日のダウンタウン」などテレビ出演も多数。
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