海外では収集家が多いことで知られるアンティークコインの実力
熱い視線を集めるビットコインと対照的な“コイン”にも近年注目が集まっている。リアルに存在し、さらに年季の入ったコインだ。その正体は「アンティークコイン」。海外では収集家が多いことで知られているが、近年、日本でも投資対象として人気が出始めているのだ。
そもそもアンティークコインとは、100年以上前に発行されたコインの総称。その希少性故に、一度火がつくとすさまじい値上がりを見せるという。例えば、コイン収集家の間では知らぬ人のいない「1839年ヴィクトリアのウナとライオン5ポンド金貨」(通称ウナライオン)は、’11年に1000万円弱だったにもかかわらず、’15年9月のオークションで約1億円の値がついたのだ! こうした値上がりは一部のコインに見られるものではない。イギリスのナイトフランク社の’17年版レポートによれば、コイン市況は12年で約3倍にまで上昇しているのだ。なぜか? トレーディングリブラ代表の石山幸二氏は「そもそも値下がりリスクが低い」と語る。
「中には不人気で値を下げるコインもありますが、希少で数が限られているため、下げたときに“投げ売り”するような人はいないんです。一方で、新たに作ることができないため、数が減ることはあっても増えません。鑑定会社が細かく状態をチェックして評価するので、同じ種類のコインであっても値がまったく異なる。数が限られているから、取引されるたびに高値で売買されて、評価額が上がっていくコインのほうが多いんです。私が購入しているコインで利回りのいいものは年率50%以上値上がりしています」
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値上がり率は平均25%。リーマンショック時も価値は落ちなかった。数が減ることはあっても増えることはないため今後も値上がりが期待されている
ユニバーサルコインズ社長の西村直樹氏も次のように語る。
「コインの相場はこの20年間右肩上がりですが、特にリーマンショック後の’08年頃から大きく上がり始めました。多くの金融商品が激しく上下に変動するなか、希少性の高い“レアコイン”のこのような特性に富裕層が注目したため、人気に拍車がかかりました」
石山氏によるとアンティークコインには大きくわけて6つの利点がある。
「1つは値上がりしやすいこと。2つめに、保管やメンテナンスが楽。コインは特製のケースに入っており傷つく心配はなく、金庫内での保管も容易。3つめは、金と同じように世界中で同じ価値を持つため売りやすい。4つめは契約が不要であること。なかには億を超える価値を持つコインもあるのに、不動産取引のように煩わしい契約が必要ありません。5つめは偽物を掴まされる可能性が低いこと。大手コインディーラーやオークションで鑑定済みのコインを購入するのが一般的だからです。ラストは、予算に合わせた投資が可能であること。数十万円代から世界に1枚しかない数億円相当のコインまで価格帯は幅広い」
さらに、税制面では購入金額より資産評価額が低く見積もられる傾向にあるため、例えば相続の際などにもメリットが多いのだとか。
では、実際にどのようにアンティークコイン投資を始めたらいいのか?
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株などと違って、いわゆる“取引所”は存在しない。アンティークコインの売買は、オークションや専門店の店頭、ネット通販や愛好家サークル内で行われることが一般的。「発行枚数が増えることなく、一度手にすると売る人も少ない。レアなものは、オークションのたびに価格が上がり、2人が競うだけで価格が跳ね上がることも。どうしても欲しいコレクターの入札合戦があるためです」(石山氏)
「初心者にはヨーロッパよりアメリカのアンティークコインがおすすめ。ヨーロッパのコイン市場はアメリカの8~10分の1程度。コインの状態がよくないものも多い。売りやすく買いやすいアメリカを選びましょう」(石山氏)