「FXに入れていた資金を暗号通貨に移しています。理由? そっちのほうが儲かるからですよ」
こう打ち明けるのは専業トレーダーのひろぴー氏だ。もともとFXで成功したのを機に専業へと転身。日経平均などの指数先物や金、原油といったコモディティ投資も行ってきたが、最近の取引対象はもっぱらビットコイン(BTC)などの暗号通貨。現在、数千万円の資金を運用しているという。
実は、BTC相場は昨年末から右肩上がり。1BTC=10万円割れの水準からジワジワと上がりはじめ、4月以降は狂ったように爆騰! 5月にはとうとう30万円へと達したのだ。
背景にあるのはアジア圏での需要だ。もともとBTCを牽引してきたのは中国人。資本規制が厳しい中国人にとって手軽に海外へ持ち出せるBTCは便利な通貨だった。そのため昨年末時点ではその取引のほとんどを中国人が占めていたほどだ。しかし、過熱する取引に危機感を抱いた中国当局は規制を大幅に強化。「中国人の取引が激減したことで、代わって日本人がメインプレーヤーに躍り出た」(暗号通貨取引所関係者)という。日本では4月に仮想通貨関連法が施行。暗号通貨取引所のテレビCMが頻繁に流されるなどして投資熱が高まった。結果、今では「世界のビットコイン取引の30%を日本が担っている」(同)ともいわれるほどだ。
そんな日本を発信源とした暗号通貨バブルに、ひろぴー氏はうまいこと乗っているようなのだ。
「投資未経験者のお金が多く入っているため、値動きが非常に単純でわかりやすい。少しでもチャート分析の経験があれば誰でも稼げます。収益? 今年は月500万円から1000万円程度は儲かっています」(ひろぴー氏)
一体、その手法とは……?
「本当に単純です。『ダウ理論』ってありますよね。19世紀に生まれた投資理論です。あれに従って『この抵抗線を上抜けたら上昇が加速するな』と判断して、1時間足で見て直近の高値を更新したところで買っていくだけでも充分儲かります。株や為替だったら、『ダブルトップで反落するかも』といった懸念もありますが、暗号通貨のバブル相場ではそんな心配はするだけ無駄。高値を恐れず買っていっていい」
【安値更新・出来高減が底打ちサイン】安値を更新すると出来高も増加しやすいが、安値を切り下げてきたのに出来高が減少しているようなら売りの出尽くしで底打ちシグナル。押し目買いの好機となる
株やFXで思うように稼げない人はBTCをトレードするのもいいかもしれない。ただし、注意点があるという。
「BTCでは出来高が非常に大切。勢いよく上がって出来高も増加していたとき、高値は更新しているのに出来高は減ってきていたら天井のシグナルと考えて、いったん利益確定します。下げるときも同じ。安値をつけたのに出来高が増えなかったら底打ちかなと考えて買っていきます」